2013 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内共生クロレラ胞の比較研究と新規細胞内共生系の構築
Project/Area Number |
12J02141
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
早川 昌志 神戸大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DCI)
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Keywords | トランスクリプトーム / ミドリゾウリムシ / 細胞内共生 / 共生クロレラ / 琵琶湖 / プロテオーム / 人工共生系 / 次世代シーケンサー |
Research Abstract |
平成25年度は、琵琶湖における共生クロレラ新規株の収集と次世代シーケンサーを用いたミドリゾウリムシの比較トランスクリプトームを行った。本研究課題では、多様な共生クロレラ株が必要であり、琵琶湖でのサンプリングはその為に行った。琵琶湖は多様な微生物群が安定して共存している環境であり、複数宿主種株から共生クロレラを単離する事に成功した。同所的に収集できた共生クロレラ系統株は、今後の比較研究に生態学的な側面から役立つ事が期待される。そして、共生クロレラの細胞内共生機構について、詳しく解析する為、ミドリゾウリムシのトランスクリプトーム解析を行った。ミドリゾウリムシは、これまでにゲノム/トランスクリプトームの解析がほとんど行われていない生物である。今回、共生クロレラを持っている状態のミドリゾウリムシ(Green)と、共生クロレラを人為的に除去した状態の同株(White)について、Illumina社のHiSeqによるRNAseqを行い、精度の高いトランスクリプトーム情報を得る事ができた。GreenとWhiteの発現比較により、GreenおよびWhite特異的に発現している遺伝子情報を得る事ができた。また、所属研究室にて行われている質量分析法によるミドリゾウリムシのプロテオームにおける、リファンレンスとして、今回のトランスクリプトームデータベースを用いて、高水準な質量分析を行う事にも成功した。これらの成果は、ミドリゾウリムシにおける細胞内共生機構の解明および、応用的な人工細胞内共生系の確立に貢献する事が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の最終目的である、人工的に細胞内共生系を新規構築の為には、さまざまな系統の共生クロレラを収集し有用なクロレラを探索する事と、共生クロレラの細胞内共生機構を知る必要がある。今年度は、有用な共生クロレラの収集に成功し、加えて、トランスクリプトームデータベースを構築する事によって、分子生物学的に共生機構を解析する研究アプローチが極めて行いやすくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
共生クロレラ持つ原生動物の収集と比較研究を引き続き行っていく。そして、今年度に確立したミドリゾウリムシにおけるトランスクリプトームデータベースを洗練し、本研究課題に応用できるようにし、最終目標である人エ共生系の確立を目指す。
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Research Products
(3 results)