2012 Fiscal Year Annual Research Report
環境モニタリングのためのビジュアルフィードバックによる協調制御に関する研究
Project/Area Number |
12J02220
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊吹 竜也 東京工業大学, 大学院・理工学研究科(工学系), 特別研究員(DC2)
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Keywords | 協調制御 / 視覚フィードバック制御 |
Research Abstract |
複数の剛体のビジュアルフィードバックによる位置姿勢協調制御問題に対して,2012年度はこれまで得られていた成果の発展に従事した.本問題では,複数の剛体の3次元空間上の位置姿勢を協調させることを目的としていることに対して,各剛体の制御則に用いることができる情報を汎用のカメラから得られる2次元視覚情報に限定している.これは将来の工学的応用を陽に考慮しているからである.これまでの研究成果では,複数の視覚を有するロボット(剛体)から成るビジュアルロボティックネットワークに対して,剛体間の視覚による情報の流れを表す可視構造がリーダ追尾型であること仮定していた.さらに,自然とはいえないゲイン条件をもつ制御則を用いることでネットワークが位置姿勢協調を達成することを示していた.これに対して,2012年度では,(i)可視構造に対して課していたリーダ追尾型という厳しい仮定を緩和すること,(ii)位置姿勢協調を達成するための収束性解析へのアプローチを改良することで,提案制御則に用いていた不自然なゲイン条件をなくすことを達成した.(ii)で用いた新たなアプローチは汎用性が高く,これを応用することでより広いクラスの可視構造に対して協調を示すことが期待される.また,先の結果では各剛体の運動は運動学モデルで記述されており,提案制御則が速度入力であることに対して,(iii)剛体の運動方程式を動的モデルで記述し,協調を達成する力・トルク入力を提案した.これにより実際のロボットへの応用が容易になることが期待される.さらに,従来の実験システムでは剛体として2次元平面上を運動する全方向移動ロボットを用いていたことに対して,(iv)2012年度では新たに飛行体であるQuadrotorを用いた実験システムを構築した.これにより,工学的応用をより意識した検証実験が行えることが期待される.本成果の価値は学術雑誌論文,制御分野で最高峰の国際学会の会議論文に採択されることで認められている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
視覚情報に基づく協調制御問題は国際的にも目覚ましい成果が未だ得られていない最先端の課題であり,国内でも類を見ない問題である.3次元空間の位置姿勢を制御するという目的に対して制御に用いることができる情報を2次元情報に限定していることが問題を大きく難しくしている.本研究でも可視構造の拡張に際して情報の限定により生じる様々な問題に直面し,計画通りには進めていないが,本分野としては十分な成果は得られている.
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Strategy for Future Research Activity |
2013年度では,まず2012年度で十分な成果が得られなかった協調を達成するための可視構造のクラスの拡張に優先的に取り組む.これは,計画している課題の中で最も意義の大きいものであるためである.また,2012年度に計画通りに進めることができなかったことに基づき,2013年度ではこの課題のみに従事するのではなく,2012年度に計画していた可視性維持問題や衝突回避問題にも並行して取り組む.研究計画は優先度の高い順に立てているため,以降2013年度に計画していた課題を繰り下げて行う.これに伴い,繰り下げられた課題に対しては当研究グループに助力を求めることを検討する.
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Research Products
(4 results)