2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J02477
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
頼 泰弘 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | メタノール / 燃料改質 / 部分酸化改質反応 / 通気性固体 / 伝熱 / エネルギー再生 |
Research Abstract |
本研究では、メタノール部分酸化改質反応を用いた数kW級小型燃料改質器について、改質器内部での反応制御と反応機構解明の双方の観点から水素含有ガス生成の最適化を図る。そこで反応制御手法の一つとして、改質器内部に通気性固体を導入し、反応の安定化および高度化を実現するため熱工学の観点から反応特性を実験および数値解析的に検討した。 本年度は、通気性固体の一種であるセラミックハニカムの下流端に反応領域を安定化させて、その反応位置、形状、および反応特性に及ぼす要因を伝熱工学的観点から検討することとし、通気性固体を小型改質器に適用した場合の設計指針を提案することを目的として研究を行った。得られた主な成果は次のとおりである。 1.セラミックハニカムを利用した小型燃料改質器において、メタノールの燃焼上限界を超えた幅広い当量比条件において安定した反応が維持できたが、水素生成効率はメタノール転換率と水素選択生成率両者の影響を受けるため、量論当量比よりも燃料過濃条件で改質効率が最大値をとることが分かった。 2.出力条件に応じて火炎の位置および形状が変化し、低当量比条件および低出力条件では火炎がハニカム内に侵入し、火炎温度、改質性能共に急激に減少した。これはハニカムの消炎効果によるものであり、ハニカムと火炎との相対位置が改質性能に強く影響を及ぼすことが分かった。 3.ハニカムの消炎効果による火炎の温度低下は、ハニカムから管壁に向かう熱伝導およびハニカム固相表面から下流側領域に放出されるふく射の両者によるエネルギー損失が主要因であることが分かった。 4.火炎のさらに下流側にハニカムを追加し、ふく射変換体として利用することで改質ガスの持つエンタピーの一部を上流側に再生し、予混合気の予熱促進効果が得られた。また、ハニカムの主流方向位置によってエネルギー再生量が変化し、火炎位置を制御できる可能性を示した。
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Research Products
(3 results)