2013 Fiscal Year Annual Research Report
ローンペア酸化物における電子局在性制御による材料設計指針の構築
Project/Area Number |
12J02558
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
林 博之 京都大学, 低温物質科学研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 酸化第一スズ / ローンペア電子 / パルスレーザー堆積法 / 酸化物半導体 |
Research Abstract |
2価Snの単純酸化物でるSnOは典型元素酸化物としては珍多し<ρ型の伝導性を示すことが知らている. これは, SnO中で2価Snがローンペア電子と呼ばれる孤立電子対を有し, 価電子帯上端で酸素のρ軌道と混成することで価電子帯のエネルギー準位が浅くなっていることが一因と考えられる. 本年度の研究では, 作製雰囲気の精緻な制御により, SnO薄膜の伝導キャリアタイプをρ型からn型へ変化させることを試みた. Snターゲットを使用し成膜した薄膜のXRDプロファイルより薄膜はSnO単相であり, YSZ単結晶基板上に(001)配向で成長していることがわかった. また, 系統的なXRD測定より薄膜と基板の結晶の面内方位は<110>_<SnO>//<100>_<YSZ>という方位関係であることがわかった. ホール効果測定とゼーベック測定の結果, 特定条件下での成膜によりn型およびp型それぞれの電気伝導性を示すSnO薄膜を作製できることがわかった. キャリア濃度の温度依存性から, その活性化エネルギーはn型試料においては0.13eV, p型試料では0.04eV程度であることがわかった. これまでにSb添加によるn型SnOの作製は報告されているが、無添加で作製したという報告は本研究が初めてである。Sb添加SnO薄膜の室温におけるHall移動度が1cm^<2>/Vs程度であるのに対し, n-SnOの室温におけるHall移動度は11cm^<2>/Vs程度であり, 本手法によりキャリア移動度の高い試料を作製できることが示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ当初の計画通り, SnOの電気伝導性に関する研究を進めることができた. また, 当初計画していた第一原理計算による欠陥形成エネルギーの評価も同時に進めており, 結果を検討している最中である.
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Strategy for Future Research Activity |
第一原理計算による格子欠陥近傍の電子状態とローンペア電子の相互作用に関し考察を行う予定である.
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Atomic Structure of Luminescent Centers in High-Efficiency Ce-doped w-AIN Single Crystal2014
Author(s)
R. Ishikawa, A. Lupini, F. Oba, S. Findlay, N. Shibata, T. Taniguchi, K. Watanabe, H. Hayashi, T. Sakai, I. Tanaka, Y. Ikuhara, and S. Pennycook
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 4
Pages: 3778-1-4
DOI
Peer Reviewed
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