2013 Fiscal Year Annual Research Report
離散変分法および離散偏導関数法の実用化に向けた基礎研究
Project/Area Number |
12J02563
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮武 勇登 東京大学, 情報理工学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 数値解析 / 微分方程式 / 離散変分法 / 離散偏導関数法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,偏微分方程式に対する構造保存数値解法の一種である「離散変分法」および「離散偏導関数法」の実用化に向けた基礎研究を目的としていたが,その中で以下の知見を得た. 離散偏導関数法はエネルギー保存則や散逸則を持つ偏微分方程式に対して,それらの性質を離散化後も厳密に再現する数値解法であり,有限要素法をベースにしていることから,複雑な領域への対応が比較的容易である一方で,これまで適用可能な方程式が非常に限定されており,例えばエネルギー関数に2階以上の微分が含まれているような方程式が扱えなかった.この問題は,滑らかな基底関数を用いれば原理的には解決できるが,実装が複雑化するためそのアイデアは実用的ではなく,なるべく低次の基底関数の利用という制約の中での解決が期待されていた.前年度までの研究では,L2射影の技巧を用いて,適用可能な方程式を増やすことに成功していた.この拡張によって,複雑な方程式に対しても,実装の容易なエネルギー保存/散逸スキームを導出できるようになったが,依然として高精度化には実装の複雑化を伴っており,比較的容易に実装可能なエネルギー保存/散逸解法の開発は急務であった.そこで本年度は,前年度の研究の副産物として得られるエネルギー保存/散逸弱形式に着目し,さらに実装や並列化が比較的容易な不連続Galerkin法のアイデアと組み合わせることで,空間変数に関して高精度なエネルギー保存/散逸解法を構築した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,離散変分法や離散偏導関数法の未解決問題を解決し,より実用に近づけることを目的としているが,特に離散偏導関数法に関して空間変数の高精度な離散化という問題を解決したため,順調に進展しているといえる.
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究に引き続き,離散変分法/離散偏導関数法の未解決問題の解決を目指す. 特に,空間変数の離散化の観点からは,非局所作用素を含む非常に複雑な方程式への対応の解明を,時間変数の離散化の観点からは,初年度に得られた高精度な離散化法の適用可能な方程式群の拡大を目指す.
|
Research Products
(13 results)