2013 Fiscal Year Annual Research Report
熱ゆらぎを有効利用した分子モーターの機能発現機構の解析
Project/Area Number |
12J02619
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
池﨑 圭吾 大阪大学, 生命機能研究科, 時別研究員(PD)
|
Keywords | 一分子計測 / 分子モーター / ミオシン |
Research Abstract |
昨年度は、新たに作成したミオシンサンプルの生化学的特性等が、これまで用いていたサンプルと同等であることを確認するための実験を行い、使用予定のサンプルに問題がないことを確認した。 また、サンプル作成に並行してレーザートラップ顕微鏡の構築を行った。 光学系の構築は順調に進み、力学操作用のプローブ(ポリスチレンビーズ)を十分な強度で安定に視野中心に捕捉することに成功した。しかしながら、当初使用予定であったSutter社製の高精度ステージが不調でスムーズにサンプル位置を調整できないという問題が生じた。本計測法によるアクトミオシン系の力学操作において、基盤に固定したアクチンフィラメントとトラップされたビーズにコートされているミオシン間の距離の調節は非常に重要であり、ナノメートル精度でのステージ操作は必須である。しかしながら、高精度ステージは非常に高額で本研究予算枠では代用品を準備することは出来ず、また、所属研究室にも同等の装置の予備はなかったためレーザートラップによる計測は断念せざるを得なくなった。 新たな計測方法として、当研究室の岩城研究員により新規開発されたDNA折り紙技術を用いた超微細バネを用いた計測を行うことにした。岩城研究員が開発した超微細バネの詳細は省かせていただくが、これにより既存の顕微鏡で力学測定イメージングを行うことができるようになった。現在、本研究のために新たに設計されたサンプルの調整をしており、実用化に向けておおむね目処が立っている段階にある。 幾つかの問題により、出だしがだいぶ遅れてしまったが、ラベル率の上昇やイメージング計測によるデータ収集効率の上昇などのポジティブな結果も多く得られており、今後の研究は加速度的に進むと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
|