2012 Fiscal Year Annual Research Report
多量体化と配向化を基盤としたバイオミネラリゼーションによる無機ナノ材料の構造制御
Project/Area Number |
12J02657
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
坂口 達也 北海道大学, 大学院・総合化学院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | バイオミネラリゼーション / 構造制御 / 多量体化 / 銀ナノ粒子 |
Research Abstract |
無機ナノマテリアルはバルクサイズの物質とは異なる特異な性質を示す。これらの機能は物質の形状・サイズに強く依存する。そのため、精密な構造制御法の開発が強く求められている。バイオミネラリゼーションの応用は、最も期待される無機ナノ材料作成法の1つである。本研究では、無機物に親和性を示し、その鉱質形成を促進するペプチドであるバイオミネラリゼーションペプチドを用いた汎用性の高い無機ナノマテリアル構造制御法の開発を目的としている。 本年度は、銀に対するバイオミネラリゼーションペプチドであるTBPの多量体化・配向化が銀ナノ粒子の構造・特性に及ぼす影響を解明するために、多量体数・配向の異なる多量体形成ペプチドを用いた解析を行った。そこで、高い安定性と特異性を示すヘテロダイマー形成ペプチドE3とK3にTBPを融合したTBP-E3,TBP-K3をデザインし、化学合成を行った。合成したTBP-E3,TBP-K3の多量体形成能をCDスペクトルを用いて解析を行った結果、TBP-E3,TBP-K3それぞれは単独では特有の構造は形成せず、ランダムコイル状体であることが示された。一方、TBP-E3とTBP-K3を混合することによって強いαヘリックス・形成が観察された。これらの結果より、TBP-E3とTBP-K3を混合することで特異的にヘテロダイマーを形成しており、目的とした多量体化・配向制御が行われていることが示唆された。 さらに、TBP-p53Tetによって生じた銀粒子の詳細な特性評価を行った。TBP-p53Tetによって生じた銀ナノ粒子の紫外可視光吸収測定を行った結果、436nmに表面プラズモン共鳴由来だと考えら得られる強い吸光が観察された。この結果から、TBPの多量体化・配向化によって生じた銀ナノ粒子は特異的な光学特性を示す可能性が示され、本手法の機能性ナノマテリアル作成への応用性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以前の研究によって、TBP-p53Tetによる多量体化・配向化によって粒子構造が大きく変化することが明らかとなっている。今後、これらの知見を元に異なる多量体数・配向を持つバイオミネラリゼーションペプチドに対する解析を行うことによって、バイオミネラリゼーションペプチドによるナノ構造制御に対する体系的な理解が得られると考えられ、本手法が広範囲に応用可能になると期待できるため。
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Strategy for Future Research Activity |
バイオミネラリゼーションによるナノ粒子形成に対する多量体化・配向化の影響を解明するために、多量体数・配向の異なる様々なCoiled-coilペプチドのN末端にバイオミネラリゼーションペプチドを融合したペプチドをデザインし、化学合成を行う。合成した多量体化・配向化バイオミネラリゼーションペプチドによって形成されたナノ粒子を電子顕微鏡を用いて観察を行い、ナノ粒子の構造とペプチド多量体構造との相関解析を実施する。
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Research Products
(11 results)