2014 Fiscal Year Annual Research Report
多量体化と配向化を基盤としたバイオミネラリゼーションによる無機ナノ材料の構造制御
Project/Area Number |
12J02657
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
坂口 達也 北海道大学, 総合化学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | バイオミネラリゼーション / 構造制御 / 多量体化 / 銀ナノ粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
無機ナノマテリアルはバルクサイズの物質とは異なる特異な性質を示すことが知られており、これらの機能は物質の形状・サイズに強く依存する。そのため、精密な構造制御法の開発が強く求められている。本研究では、無機物に親和性を示し、その鉱質形成を促進するペプチドであるバイオミネラリゼーションペプチド(以下BMPep)を用いた汎用性の高い無機ナノマテリアル構造制御法の開発を目的としている。 本年度は、銀に対するBMPepの多量体形成が無機物に対する親和性に与える影響について解析を行った。そのために、銀に対する特異的結合能を有するBMPepを、p53四量体形成ドメインおよびその単量体型変異体に融合し、各ペプチドの球状銀ナノ粒子およびディスク状銀ナノ粒子への結合能を解析した。その結果、単量体型p53を用いた場合においては球状銀ナノ粒子およびディスク状銀ナノ粒子に対するBMPepの親和性に差は見られなかった。一方、四量体型p53によってBMPepの多量体化および配向化を行った場合では、球状銀ナノ粒子に比べてディスク状銀ナノ粒子に対して強い親和性を示した。この結果から、BMPepの標的に対する結合特異性は、多量体形成によって増強されることが明らかとなった。さらに、四量体型BMpepを銀ナノ結晶成長過程に加えることによって、ディスク状銀ナノ粒子の形成率が有意に増加することから、多量体化および配向化したBMPepが銀結晶の特定構造をキャッピングすることによってディスク状銀ナノ粒子が形成されたことが示唆された。 以上、本研究により、BMPepの多量体化を介した配向制御によって、BMPepの標的に対する結合特異性が増強され、ナノ構造制御能が向上することが明らかとなった。本研究で得られた知見は高い一般性を有しており、生体分子を用いたナノ構造制御の発展に大きく貢献することが期待される。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)