2013 Fiscal Year Annual Research Report
二酸化炭素で加圧した有機膨張液相を利用する新規多相系反応場の開発と応用
Project/Area Number |
12J02667
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
芳田 嘉志 北海道大学, 大学院工学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 二酸化炭素 / 水素化 / 反応制御 / 分子相互作用 / CO吸着 / 多相系反応 |
Research Abstract |
本研究ではCO_2溶解膨張液相(CXL)におけるCO_2分子と反応基質との相互作用の解明を研究目的としている。本年度は前年度明らかにしたCO_2分子とニトロ基との相互作用による生成物選択性への影響をさらに展開し, 2,4-ジニトロアニリンの位置選択的水素化反応をモデルとして異なる環境のニトロ基への相互作用をそれぞれ解明することに成功した。さらに本年度は反応実験に加えてDFT計算を用いた反応基質とCO_2分子との分子レベルの電子的効果いついて新たに検討し, 当初想定していたCO_2分子による直接的な相互作用による反応制御に加えて, 反応基質の分子間および分子内相互作用の遮蔽による間接的な影響も存在することを見出した。 CXL反応場を用いた水素還元反応では逆水性ガスシフト反応によるCO生成およびその触媒表面への吸着が観察されるが, 本研究で用いたPt/TiO_2触媒ではこうしたCO吸着はほとんど見られなかった。これはPt/Al_2O_3触媒の場合と異なる結果であり, 担体の選択が担持金属の分散といった物理的な性能だけでなく金属への電子供与など化学的な性能に大きく影響することを示唆している。そこで本年度は触媒担体の表面修飾によるCO_2加圧効果への影響を明らかにするため, Nドープ型TiO_2を担体とするPt/N-TiO_2触媒を用いてニトロスチレンの水素化反応における反応性への影響について検討した。その結果, 担体の表面電子密度を増加させることにより担持金属への電子供与が行われ, 結果として触媒反応における貴金属から反応基質へのd電子の逆供与が促進されることがわかった。これは反応場に共存するCO_2分子に対しても一様に発現するものであり, CO_2分子と金属触媒との相互作用を決定する上で重要な因子と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(6 results)