2014 Fiscal Year Annual Research Report
Slp2-aが制御する上皮細胞の繊毛への新規極性輸送機構と細胞間相互作用への影響
Project/Area Number |
12J02766
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安田 貴雄 東北大学, 大学院生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | Slp2-a / 嚢胞性腎疾患 / 腎臓尿細管上皮細胞株 / ezrin / 極性輸送 / 細胞肥大 |
Outline of Annual Research Achievements |
腎臓尿細管上皮細胞の形態形成やバリア機能の破綻は腎臓機能の障害に直結することから、それらの獲得機構の解明は非常に重要な研究課題と考えられるが、未だその詳細は十分に解明されていない。報告者はこれまでに、腎臓尿細管上皮モデル細胞株(MDCK II)を用いて、膜輸送に関わるsynaptotagmin-like protein 2-a (Slp2-a) に着目し、1、上皮細胞のバリア機能に関わる密着結合分子の発現調節を行うこと(Mol Biol Cell, 2012)、2、尿細管の管腔形成を調節すること(Nat Cell Biol, 2012)、3、上皮細胞の大きさを制御すること(J Cell Sci, 2014)を明らかにしている。最近、4、腎臓尿細管上皮細胞の大きさや極性の破綻した遺伝子疾患である「嚢胞性腎疾患」のモデルマウスの腎臓において、Slp2-aの発現異常やSlp2-a下流シグナルの異常を見出している(J Cell Sci, 2014)。本年度はSlp2-aの下流シグナルに着目し、上皮細胞の形態形成メカニズムの解析を行うことにより、Slp2-aシグナルと嚢胞性腎疾患の病態発症との関連を明らかにすることを目的としている。これまでに、新規Slp2-a結合分子としてRap1GAP2とProtein Phosphatase 1(PP1)を同定することに成功しており、それぞれ間接的、または直接的にSlp2-aシグナルの下流に位置する重要なシグナル分子ezrinの活性調節に関わることを見出している。すなわち、Slp2-a欠損細胞においてRap1GAP2とPP1が細胞膜に局在できず、細胞膜上でのezrin活性を抑えることができないため、ezrin活性が亢進してしまうことが細胞肥大に繋がることを明らかにした。
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Research Progress Status |
本研究課題は平成26年度が最終年度のため記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は平成26年度が最終年度のため記入しない。
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