2014 Fiscal Year Annual Research Report
生合成遺伝子の汎用的異種発現による糸状菌ポリケタイド合成酵素の触媒機構の解明
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12J02831
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤居 瑠彌 北海道大学, 総合化学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ポリケタイド / Aspergillus oryzae / 酸無水物 / 二量体 / PKS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、麹菌異種発現系を利用し、酸無水物型二量体天然物であるphomoidride Bの骨格構築機構を解明することを目的とした。酸無水物型二量体天然物の骨格構築には、二つのモノマーが二量化することが予想されていたが、統一的に説明できる二量化機構は提唱されていなかった。そこで、本研究では、モノマーの生合成機構を解明し、続いて二量化酵素の探索を検討した。 初めに、phomoidride Bの生産菌のゲノムDNAを解析し、モノマーの予想生合成経路を基に、候補となる生合成遺伝子を探索した。その結果、ポリケタイド合成酵素(PKS)、縮合酵素(CS)、脱水酵素(MCD)が近接する遺伝子クラスター(phiクラスター)を発見した。これらの酵素遺伝子を麹菌に同時に導入したところ、培養した菌体の抽出物からは、予想モノマーの脱炭酸体が得られた。このことからphiクラスターがphomoidride Bの生合成に関与することを支持するとともに、宿主内で生成した中間体が脱炭酸したものと考えられた。 次に、二量化前の真のモノマーを特定するため、大腸菌発現系を用いて、CSとMCDを調製した。基質には、α,β‐不飽和脂肪酸のCoAエステルを用い、オキサロ酢酸を加えてin vitro試験を行った結果、脱炭酸前のモノマーが得られた。これにより、CSとMCDの生成物はカルボン酸であり、脱炭酸反応を鍵として二量化が進行するという仮説が、初めて実験的に支持された。 これらの実験事実と過去の研究を基に、二量化の機構を提唱した。これまでの研究では、同じモノマーが二量化すると考えられていたが、本研究で突き止められたカルボン酸モノマーAとそれが脱炭酸した二種のモノマーB、Cの組み合わせで二量化が進行するという仮説を新たに提唱した。この仮説はすべての二量体型酸無水物の生合成に適用可能な普遍的なものと考えている。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)