2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J02916
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
麻生 伸一 琉球大学, 教育学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 近世琉球 / 儀礼 / 尚育 / 尚泰 / 中城王子 / 琉球国王 / 即位 / 権威 |
Research Abstract |
本研究は、琉球国王の権威のあり方を、近世琉球・琉球国王を中心に広範に展開した儀礼行為から分析し、近世琉球における国王権威の所在とその実体を明らかにすることを目的とする。具体的には、史料残存の比較的多い王国末期から明治初期を中心として、中城王子の元服儀礼・国王の即位儀礼・国王の葬送儀礼などを、琉球王権を象徴する儀礼として捉えて分析する。その際、日中の儀礼観念をいかに導入し琉球独自のものとして転換したかを明確にすることにより、諸儀礼の特質と国王権威の意義についても考究する。 本年度は、尚家文書をはじめとする本研究にかかる基本的な史料の収集に努めた。それを踏まえて次の三点についての分析を行った。 第一に、尚育の中城王子への着任、元服、王位への即位儀礼を分析である。まず関係史料である尚家文書中の「尚育様御即位日記」、「尚育様御元服日記」、「僉議」(438号)などを収集し、テキストデータとした。また、譲位がいかに士族層に受け入れられていったかを分析するため家譜史料の収集もおこなった。これらを踏まえ、尚育王が王位を継承する過程を検討した。第二に、服属誓約文書ともいえる「起請文」の分析を行った。関係史料として「両先島御検使日記」(1856年)、「両先島御検使日記」(1857年)、「嘉永四年太守様就御家督摂政・三司官改誓詞日記」、「安政五年太守様就御相続摂政・三司官改誓詞日記」、「太守様就御相続上様改誓詞日記」などを収集し、テキスト化をおこなった。分析により、琉球における起請文の運用を広汎な使用実態について把握することができた。この成果は、「近世琉球の起請文-全体像の把握と儀礼的意義の解明をめざして-」として学会発表した。第三に、災害に関する祈念の意味を考察した。この成果は「近世琉球の災害と祈りに関する覚書き」として発表した。
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Research Products
(2 results)