2014 Fiscal Year Annual Research Report
言語的マイノリティの学習者の発達促進に向けた学習環境のデザイン-日加比較研究-
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12J02927
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
竹内 身和 立教大学, 文学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際比較研究 / 多言語状況 / 第二言語学習 / 数学学習 / 参与観察 / インタビュー / ワークショップ / カナダ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、日本とカナダの多言語状況の進む都市部において、言語の境界や国境を越えて生きるトランスナショナルな家族と子どもたちの学校内外での数的リテラシーの状況を検討し、学校における教科教育の場面でトランスナショナルな子どもたちの学習を促進させるための学習環境のデザインが探求された。 日本とカナダという社会形成、民族形成、教育施策において異なる二つの文脈で、同テーマの研究を進めることにより、日本とカナダそれぞれの固有な社会歴史的文脈を浮き彫りにした。特に、 1.言語と数的知識に関わる学校実践と家庭での実践での連続性と非連続性、2.言語の価値づけとジェンダーの役割、3.言語と数的知識に関わる家庭での継承の3点が主に検討された。また、調査結果をもとに、日本とカナダそれぞれにおいて、トランスナショナルな家族と子どもたちに対して、計6回の介入的ワークショップを行った。ワークショップでは、学校教育、移民の子どもたちの言語発達の特徴と認知発達の特徴、家庭で継承されている計算方法とその背後にある数学的知識などをテーマにし、トランスナショナルな環境で育児をする移民の親や国境を越えて生きる子どもたちが経験を共有し、自らの知識と言語的資源を再評価する機会を目指すとともに、研究結果の当事者や実践者への還元を行った。本研究は、多言語状況の進む日本の教育現場において、カナダにおける教育実践やカナダにおけるトランスナショナルな家族と子どもたちの経験を参考にしつつ、新たな教育実践を展開するためのいくつかの方向性を示した。特に、トランスナショナルな子どもたちが生きる学校での教育実践と家庭での教育実践との間にいかに有機的な関係を生み出し得るかについての示唆を得ることができた。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)