2012 Fiscal Year Annual Research Report
モバイル端末を用いた頭部姿勢推定および表情認識とその応用
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12J02944
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高橋 巧一 慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 画像処理 / 頭部姿勢推定 / 表情認識 |
Research Abstract |
本研究はモバイル端末での実装を考慮した顔の状態を認識する実用的な技術の開発とその応用を研究目的とし、この実現のために、平成24年度は高速・高精度な頭部姿勢推定に関する研究を行なった。頭部姿勢推定は非剛体の位置合わせ問題に帰着するが、従来手法は主に高性能なハードウェア(PC)を用いた実装が想定されており、スマートフォン等のモバイル機器は従来手法の実装が困難であった。そこで本研究では、従来手法としてよく用いられるパーティクルフィルタと呼ばれる時系列フィルタの問題点である計算コストを削減するために、計算コストの少ない特徴点追跡手法を取り入れることで、頭部姿勢推定手法の改善を行なった.また、画像の位置合わせ問題に関して、従来手法として知られるInverse compositional法の高速化に関する研究を行なった。提案手法は、対象物体の位置合わせや追跡問題を2段階に分けて解決することで、低計算コストなアルゴリズムを実現した。具体的には、第1段階でLucas-Kanade法と最小二乗法に基づくおおまかな推定を行ない、続く第2段階でモンテカルロ法に基づく高精度な推定を行なう手法を提案した。頭部姿勢推定の実験結果は提案手法を用いた場合、計算速度および推定精度の両方の向上を確認した。また、実際のモバイル機器で頭部姿勢推定システムの実装を行ない、実機での動作検証を行なった。実機での検証の結果、提案手法は市販のモバイル機器で動作可能であることが示された。したがって、本研究により、従来手法では実装不可能であったモバイル機器上での高精度な頭部姿勢推定システムを実現した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は頭部姿勢推定手法の高速化アルゴリズムの提案およびモバイル機器への実機実装を予定していたが、これは実際に達成している。このため、初年度の進捗状況としてはおおむね順調であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究により、平成24年度はモバイル機器で実装可能な頭部姿勢推定アルゴリズムの提案を行なった。当初の予定通り、次年度の研究課題として、表情認識に関する研究の遂行を予定している。ただし、頭部姿勢推定手法の更なる改良の余地も残されていると考えており、より高速・高精度なアルゴリズムの開発も合わせて研究を進めていくことを考えている。
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Research Products
(10 results)