2013 Fiscal Year Annual Research Report
モバイル端末を用いた頭部姿勢推定および表情認識とその応用
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12J02944
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高橋 巧一 慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 画像処理 / 頭部姿勢推定 / 表情認識 |
Research Abstract |
本研究はモバイル端末を用いた頭部姿勢推定および表情認識に関する実用的な技術の開発とその応用を研究目的とし、この実現のために本年度は引き続き高速・高精度な頭部姿勢推定に関する研究とその基礎となる画像位置合わせに関する研究活動を行なった。頭部姿勢推定はデジタル画像中から顔を検出し, 目や鼻, 口等の特徴点を検出・利用することで, 顔の向きを推定する研究課題として知られている. 従来手法は, 主に高性能なハードウェア(PC)を用いたシステムが想定されており, スマートフォンやタブレット機器を用いた実装は困難である。そこで本研究では, 高速・高精度な頭部姿勢推定技術を新たに開発することで, モバイル端末上で動作可能なシステムの実現を目指す。 本年度の実施計画として本来であれば表情認識に関する研究活動を行なう予定であったが, 昨年度の研究課題である頭部姿勢推定の更なる改良の余地も残されていると判断し, 引き続き頭部姿勢推定に関する研究を進めた。提案手法は動画像において前フレームの頭部姿勢推定の結果用いて顔の追跡を行なう。また, アルゴリズムは頭部姿勢推定を行なう第1段階と高精度な頭部姿勢を行なう第2段階によって構成される。第1段階では, Lucas-Kanade法と呼ばれる特徴点追跡手法によって顔の特徴点の動きを算出し, この結果を用いて頭部姿勢の最小二乗推定問題として解く。第2段階では, 第1段階で得られた解の周辺をランダムサンプリングによってよりよい解の探索を行なう。とくに, 第2段階において, 解が更新されるごとに探索範囲を適応的に狭めていくことで, 効率的な粗密探索が可能であることを示した。実機での検証の結果, 本手法は従来手法より高速・高精度であることが示された。また, 来年度予定していた応用技術開発も合わせて進めており, モバイル端末を用いた眼鏡の試着システムの開発を行なうことで, 本研究の有効性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は表情認識に関する研究を遂行予定であったが, 前年度の研究課題を引き続き行なった。ただし, 来年度予定している応用技術の開発を合わせて進めており, おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度・平成25年度と, 頭部姿勢推定の高速・高精度化に関する研究活動を行なってきた。本来であれば, 平成26年度は応用技術の開発を予定しているが, 近年の国際会議等における顔の特徴点検出に関する研究動向の活性化および目覚ましい発展により, 更なる改良の余地が残されていると考える。このため, 本年度は頭部姿勢推定・表情認識・応用技術に関する研究を包括的に進めていることを予定している。
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Research Products
(7 results)