2013 Fiscal Year Annual Research Report
消化管におけるToll-like receptorを介した常在細菌制御機構の解明
Project/Area Number |
12J02965
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
万谷 洋平 神戸大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | Toll-like receptor / 常在細菌 / 消化管 / 粘膜上皮 / 細胞増殖 / 細胞分化 |
Research Abstract |
本年度ラットを用いて消化管内における常在細菌の制御機構を解明するための一環として得られた研究成果は以下の通りである。 1. 上行結腸における常在細菌の優先的な定着部位が腸間膜付着部の腸表面上皮上であることを明らかにするとともに, 同部位におけるTLRの発現が非常に弱いこと, さらに同部位では腸陰窩内に常在細菌が侵入すると, 腸陰窩内における上皮細胞の細胞増殖が活性化される可能性を明らかにし, 論文公表した。 2. 小腸の生体防御機構に関する基礎的な研究として, 小腸のバイエル板の濾胞付属腸陰窩の濾胞側ではPaneth細胞や杯細胞の分化が抑制されることに加えて, これらの細胞の両方の性質を示すintermediate cellが濾胞付属腸陰窩に出現することを明らかにし, 論文公表した。 3. 空腸の腸絨毛で産生された乳ビ球が, 血管内へと直接取り込まれる可能性を明らかにして論文公表するとともに, この取り込みには毛細血管内皮に発現したVLDL受容体が関与する可能性を明らかにし, 学会発表した。 4. 消化管における生体防御に関する基礎的な研究として, 消化管全長における補体C3およびC4の分泌部位を特定し, 学会発表した。 5. 上行結腸の集合リンパ小節の濾胞付属腸陰窩には, 一般の腸陰窩にはみられないPaneth細胞と類似の細胞が分化することを見出し, さらに同腸陰窩には, いわゆるintermediate cellが小腸のバイエル板と同様に出現することを明らかにし, 杯細胞とPaneth細胞の間に分化移行が存在する可能性を明らかにし, 学会発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(7 results)