2014 Fiscal Year Annual Research Report
慢性骨髄増殖性疾患における腫瘍性幹細胞の同定および治療法の樹立
Project/Area Number |
12J03020
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
菊繁 吉謙 九州大学, 医学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 慢性骨髄増殖性疾患 / TIM-3 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は慢性骨髄増殖性疾患の中でも骨髄異型性症候群(MDS)に着目して研究を遂行した。申請者は、急性骨髄性白血病(AML)において、白血病幹細胞に特異的に高発現する分子TIM-3を同定し、TIM-3を標的としたモノクローナル抗体治療により、in vivoでヒトAML白血病幹細胞の根絶が可能であることを報告している(Kikushige et.al, Cell Stem Cell 7, 2010)。平成24年度の研究結果、MDS症例におけるTIM-3発現に関して病期進行とともに、TIM-3陽性の異常表面形質を有するCD34陽性CD38陰性造血幹細胞が増加することを見出した。このように慢性骨髄増殖性疾患から急性骨髄性白血病への病期進展の過程でTIM-3発現細胞の割合が著明に上昇することから、申請者はTIM-3が腫瘍の進展に関与する機能的分子である可能性を考えた。TIM-3のリガンドとしてこれまでに最も解析が進んでいるgalectin-9に注目し、このTIM-3/ signalingの下流にNF-kBおよびβ-catenin経路が存在することを見いだし、別研究として遂行をしている。特にβ-catenin経路の活性化に関しては慢性骨髄増殖性疾患のなかでも慢性骨髄性白血病(CML)において、病期進行とともに活性化が重要な役割を担う事が知られている。申請者はTIM-3が、このCMLにおける腫瘍性幹細胞の機能制御に寄与する可能性を考え、MDS同様に病期ごとにCD34+CD38-造血幹細胞分画内のTIM-3陽性細胞の割合を評価したところ、MDS同様にchronic phaseからblast crisisへと病期進行にともに上昇する、すなわちTIM-3陽性異常造血幹細胞の増加を認めることから、TIM-3は慢性骨髄増殖性疾患において、腫瘍性幹細胞を識別する有効なマーカーであると考えられた。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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