2012 Fiscal Year Annual Research Report
高性能NEMSに向けたドメイン構造による巨大圧電アクチュエータの実現
Project/Area Number |
12J03056
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
江原 祥隆 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 強誘電体薄膜 / 圧電体薄膜 / NEMS / 無ヒステリシス / 熱膨張係数 / 結晶構造制御 / 圧電高速応答 |
Research Abstract |
NEMS(Nano Electro Mechanical Systems)応用に向け、ヒステリシスが無くそして大きな変位を有する圧電材料の開発を達成する目的のために、特殊な単結晶基板を使用することで代表的な圧電材料であるPb(Zr,Ti)O3[PZT]膜の結晶構造の制御を行った。 (1)単一配向した(100)、(110)、(111)菱面体晶PZT膜の作製 熱膨張係数の大きなエピタキシャル用単結晶CaF2基板(100),(110),(111)上に菱面体晶PZT膜をCVD法で作製したところ、(100),(110),(111)に単一配向したPZT膜の作製に世界で初めて成功した。また熱膨張係数を変えることで、これらのドメイン構造の制御も成功した。これらの構造が制御されたPZTの誘電率や飽和分極値が理論値とよく一致し、誘電特性および強誘電特性などの電気特性からも高品質な膜であることを確認した。 (2)圧電特性の評価 構造制御された正方晶PZTおよび菱面体晶PZTの圧電特性評価をpulse電界印加によるin-situ圧電/分極同時測定を放射光によるX線回折測定(SPring-8)を用いて行った。電界下の測定を行うことにより結晶構造の変化(分極のチルト角度の変化)を観察できた。また高速パルス(200ns)による測定でも分極軸のチルトが圧電特性に大きく影響していることも確認した。分極軸のチルトが、電界に対して遅く反応するためヒステリシスが起きることが示唆されていたが、これらのSpring-8での結果よりヒステリシスがなく大きな変位を有する可能性が見出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的である単一配向PZT膜の制御には成功している。また分極軸チルトの圧電応答にかんしてもin-situ圧電/分極同時測定で観察できた。しかし、構造を制御したPZTの各チルトの角度や圧電特性の定量的な比較はこれから行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
1.構造を制御したPZT膜の定量的な圧電特性の評価を圧電応答顕微鏡(PFM)で行う。これから得られた結果でチルト角度およびそのドメイン数の比較を行う。 2.来年度予定していたPZT膜の微細化(真の圧電評価)に関しても引き続き、行う予定である。
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Research Products
(23 results)
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[Presentation] Piezoresponse Enhancement of PZT Films by Nanometer-size Domain Formation2012
Author(s)
Ayumi Wada, Yoshitaka Ehara, Shintaro Yasui, Mitsumasa Nakajima, Takahiro Oikawa, Takahisa Shiraishi, Ken Nishida, Masamichi Nishide, Takashi Yamamoto, Takeshi Kobayashi, Hitoshi Morioka, Osami Sakata, Yasuhiko Imai, Tomoaki Yamada, Hiroshi Funakubo
Organizer
2012 MRS Fall Meeting & Exhibi
Place of Presentation
Boston、 USA
Year and Date
20121125-20121130
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[Presentation] PLD法を用いたエピタキシャルPb(Zr,Ti)O3ナノロッドの成長過程の観察とその強誘電及び圧電特性2012
Author(s)
山田智明, 中村健太郎, 田中秀典, 江原祥隆, 安井伸太郎, 及川貴弘, 坂田修身, 舟窪浩, 吉野正人, 長崎正雅
Organizer
第73回応用物理学会学術講演会
Place of Presentation
愛媛、 松山大学
Year and Date
2012-09-14
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