2013 Fiscal Year Annual Research Report
超高密度媒質中プラズマの分光学的基礎研究と新奇光物性発現
Project/Area Number |
12J03125
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
占部 継一郎 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | プラズマ / 超臨界流体プラズマ / クライオプラズマ / レーザー分光診断 |
Research Abstract |
昨年度より引き続き近赤外レーザーヘテロダイン干渉計による超高密度媒質中のマイクロプラズマ電子密度計測法の研究開発を進め, 大気中に吹き出すアルゴンガス中でのパルスDC放電の電子密度計測に成功した. 本研究成果は雑誌論文や学会発表を行い, 学会で奨励賞を受賞するなど国内外から高い評価を受けている. さらに, 顕微鏡を使った反射型干渉計システムの開発を進め, 当初の目的である超臨界流体中でのプラズマ電子密度計測の準備を整えた. また, 超臨界流体二酸化炭素中でのパルスレーザーアブレーションのイメージング研究も行い, 臨界点近傍の超高密度媒質条件下におけるキャビテーションバブル発生現象の臨界異常を確認した. 共同研究者の実験結果に関する議論を通じ, 高密度媒質中プラズマ反応機構の全体バランスがガス温度に依存して大きく変化している可能性が高いと着想し, ヘリウム/窒素混合ガス系における各反応速度定数の温度依存性を考慮した反応モデル構築を行った. 励起粒子のバランスが温度低下と共に大きく変化することをモデル計算結果から明らかにするとともに, レーザー吸収分光法によるヘリウム準安定励起原子密度の計測結果から放電モデルの妥当性を定量的に確認している. 平成23年度まで京都大学において実験を行ってきた大気圧プラズマプロセスや光周波数コムを用いた新規レーザー分光法についての考察を深め, 雑誌論文や国際学会招待講演を行った. 本研究課題にも関連が深い内容の研究成果であり, 今後の研究を進めていく上で重要な知見が得られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した研究目的に沿った内容を進めるとともに、申請以後に新たに着想された関連の研究内容も大きく進展しており, 当初の計画以上に研究の成果がでている. 特に, 以前より寺嶋研究室において進められてきた超臨界流体や低温環境下の超高密度媒質中プラズマの基礎研究について, 当研究員が持つレーザー分光技術を用いたプラズマ計測研究により様々な研究結果が得られており, 学会発表や論文による成果発表が進んでいる. それぞれの研究成果に対し, 国際学会の招待講演依頼や各学会での受賞など国内外からの評価も高く, 質・量を兼備した研究進展があったと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
現在, 本研究課題の当初計画に係る部分ついてはおおむね順調に進展しており, 関運する研究計画を大きく変更する必要はない. 今後は, 当初計画に加え, 昨年度研究が大いに研究が進展した超高密度媒質中プラズマ化学反応機構のガス温度依存性についての実験・計算研究に取り組むことが必要である. この新たなテーマの進展によりプラズマの物理・化学両面からの研究が可能となり, 本研究課題で確立を目指す超高密度媒質中プラズマの学術基盤を完成に近づけることができると期待される.
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Research Products
(14 results)