2013 Fiscal Year Annual Research Report
脱窒素を伴うアリール化反応の研究と不斉Lewis塩基触媒を用いた不斉合成への展開
Project/Area Number |
12J03172
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石田 貴之 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 脱窒素 / アリール化反応 / 遷移金属触媒 |
Research Abstract |
これまでに得られた知見より、脱窒素によって反応する官能基をカルボニルα位のジアゾに変更し、遷移金属触媒によるアリール化反応の検討を試みた。市販のN-アルキルアニリンから合成したマロン酸アニリドに対してRegitzジアゾ転移反応によりジァゾ化することで、原料であるジァゾアニリドを合成した。これに対して遷移金属触媒によるアリール化反応の検討を種々おこなったところ、トリフルオロ酢酸パラジウムまたはパラジウムビスジベンジリデンアセトン2.5mol%存在下、テトラヒドロフラン中加熱還流することで所望のアリール化が進行した2-アルキリデンオキシインドールを高収率で得ることに成功した。更なる検討の結果、本反応は芳香環上の各種の置換基およびアルキルケトン・アリールケトンに対しても適用でき、いずれも高収率で目的物が得られることを見出した。本反応の反応機構については未だ不明な点が多く、特に2価のトリフルオロ酢酸パラジウムでも0価のパラジウムビスジベンジリデンアセトンでも反応が同様に進行する点は興味深い。2-アルキリデンオキシインドールは、deoxyviolaceinやtrigonostemonFなどいくつかの天然物のみならずtanidapやhesperadinなどの有用な生物活性化合物に見られる骨格であり、これらを既存の方法よりも比較的安価なトリフルオロ酢酸パラジウムを2.5mol%と低触媒量用いることによって高収率で合成できる点は重要な成果であると言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた官能基の安定性に問題があることが明らかとなったものの、脱窒素前駆体を変更することで効率的な遷移金属触媒によるアリール化反応を見出し、新規なオキシインドール骨格の構築法を確立した。
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Strategy for Future Research Activity |
脱窒素を伴うアリール化によるアルキリデンオキシインドール合成法をこれまでに確立したことから、今後は反応の中間体として推定されるパラジウムエノラートを起点とした分子内連続反応による全炭素四級炭素の構築が重要な検討課題の一つとして考えられる。
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Research Products
(1 results)