2012 Fiscal Year Annual Research Report
網羅的遺伝子解析を用いたヒトiPS細胞の血液細胞分化誘導における重要な因子の同定
Project/Area Number |
12J03322
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西澤 正俊 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | iPS細胞からの血液分化誘導 |
Research Abstract |
現在まで、iPS/ES細胞から血液前駆細胞や成熟穎粒球、赤芽球、マクロファージに効率良く分化する系の確立に成功した。この分化系は、血清やFeeder細胞との共培養を必要とせず、非常に再現性よくiPS細胞の分化効率を調べることを可能にした。この分化系を用いて約40ラインのヒトiPS/ES細胞から血液細胞へ分化誘導を行い、その分化効率を比較、検討した。その結果、ヒトiPS/ES細胞の血液分化能には、非常に大きな株間差があることがわかった。また同時に未分化iPS細胞のゲノムメチル化、遺伝子発現をメチル化アレイ、マイクロアレイ等を用いて解析を行い、血液分化能に影響を与える因子の同定を試み、現在まで複数の因子を抽出することに成功した。現在それらの遺伝子のGenecloningや、遺伝子導入・RNA干渉などの方法を用いて抽出した因子の血液分化に与える影響を調べている。iPS細胞の作成方法と血液細胞への分化能の関係や、iPS細胞が起源体細胞の性質がゲノムメチル化等に残存すると言われている事象:即ちEpigenetic memoryの有無に関しても検討を行っている。今後はこれらの実験によって得られた知見を、更に効率が良く、臨床応用可能な質の良い血液細胞への分化法の確立に活用したいと考えている。iPS細胞から血液細胞への分化誘導は、輸血医療、移植医療への臨床応用が期待されているが、我々の研究は、(1)効率のよい質の良い分化誘導法の確立や(2)血液分化誘導に適するiPS細胞株が事前に選別できることが可能になるなどの点にて将来のiPS細胞の臨床応用に多いに貢献するものと期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りにips細胞からの血液分化誘導に影響を与える因子の抽出に成功しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに見いだしたips細胞からの血液細胞分化に関連する遺伝子の機能解析を進めていく予定である。これらの知見を活かしてさらに効率良く質の良い血液分化誘導法の確立や、血液分化誘導に適するips細胞の選別法の確立につなげていきたいと考えている。
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