2012 Fiscal Year Annual Research Report
三重鎖核酸テクノロジーの実用化に向けたピリジン型塩基を有する人工核酸の開発
Project/Area Number |
12J03385
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中原 基 大阪大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 三重鎖核酸 / 非天然型核酸塩基 / オリゴヌクレオチド |
Research Abstract |
本研究では三重鎖核酸テクノロジーの実用化に向け標的二重鎖DNA中のG・C塩基対を特異的かつ強固に識別する非天然型塩基の開発を目的とする。2-アミノピリジンを有する人工核酸はG・C塩基対に比較的高い親和性をもつことから今回新たに2-アミノ-6-メチルピリジンを塩基部位に有する人工核酸を設計した。具体的には、2-アミノピリジン、2-アミノ-6-メチルピリジンを塩基部位に持つヌクレオシドをそれぞれ合成した。塩基部位と糖部位のカップリングには溝呂木-Heck反応を用いた。合成したヌクレオシドはDNA自動合成機に適用可能なアミダイトブロックへと誘導し、15残基中1残基、3残基、5残基導入したオリゴ核酸をそれぞれ合成した。得られたオリゴ核酸を用いて融解温度測定、熱力学パラメータの算出等により合成した人工核酸の物性を評価した。結果、2-アミノ-6-メチルピリジンを3残基連続で導入した場合は2-アミノピリジンと同程度の高い親和性を有することが明らかとなった。一方、5残基連続で導入した場合は2-アミノピリジンよりも親和性は低下する結果となった。この原因の一つとして融解温度測定の曲線の結果、2-アミノ6-メチルピリジンは2-アミノピリジンよりも濃色効果が小さかったことからメチル基の存在が三重らせん構造にひずみを与えている可能性が示唆された。また、今回設計した2-アミノ-6-メチルピリジンは現在三重鎖核酸に広く用いられている5-メチルシトシンよりもG・C塩基対に対して高い親和性を示すことが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)