2012 Fiscal Year Annual Research Report
Ameloblastinの癌抑制遺伝子としての働き
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12J03455
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
安藤 俊範 広島大学, 大学院・医歯薬保健学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 骨肉腫 / Ameloblastin |
Research Abstract |
本年度はAmeloblastin(AMBN)の、in vitroにおける骨肉腫細胞の増殖能・遊走能に及ぼす作用の解析および細胞内シグナル解析、またヌードマウスを用いて、in vivoにおける骨肉腫の増大・転移に及ぼす作用の解析を行い、以下の結果を得た。 1)In vitroでの解析 a)AMBN過剰発現が、骨肉腫細胞の増殖能に及ぼす作用と細胞内シグナルに関して AMBNを骨肉腫細胞に過剰発現させると、その増殖能は有意に低下し、かつFACS解析により、G1期での細胞周期停止が誘導されていることが分かった。このphenotypeは、AMBN過剰発現がc-mycの発現を抑制することによって生じることが明らかとなった。 b)AMBN過剰発現が、骨肉腫細胞の遊走能に及ぼす作用と細胞内シグナルに関して AMBNを骨肉腫細胞に過剰発現させると、stress fiberおよびfocal adhesionの形成が誘導され、かつwound healing assayにより骨肉腫細胞の遊走能が有意に低下することが分かった。このphenotypeは、AMBN過剰発現が、RhoAを活性化(GTP結合型に転換)することによって生じることが明らかとなった。 2)In vivoでの解析 予備実験として、Controlの骨肉腫細胞とAMBNを過剰発現させた骨肉腫細胞をヌードマウスの脚に接種し、腫瘍の増大・転移をluciferinを用いたin vivo imaging assayで解析した。結果として、AMBNを過剰発現させた骨肉腫細胞を接種したマウスでは、Control群のマウスに比べて、腫瘍の増大・転移が抑制されている傾向が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、in vitroおよびin vivoの実験いずれにおいても、当初の計画通りに実験が進み、結果が順調に得られている。今後も予定通りに実験を進めていくことが可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
1)In vitroの実験では、AMBNの増殖能および遊走能への影響として、c-mycおよびRhoAがシグナルのターゲットとして明らかとなったが、それらとAMBN-CD63-Integrin-Sroの経路との関連性について、今後さらに検討していく。また、AMBNを最初から過剰発現している骨肉腫細胞株を用い、AMBNをknockdownした解析も加えて今後検討していく。 2)In vivoの実験においては、n数を増やして実験を再度行い、腫瘍の増大・転移抑制に関して検討を行う。またマウスの腫瘍組織を用い、免疫組織化学的染色による検討も行う。 3)骨肉腫症例におけるAMBNの発現と臨床病理学的データとの相関を、当初の予定通り検討する。
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Research Products
(4 results)