2014 Fiscal Year Annual Research Report
細胞外微小環境の堅さを接着斑タンパク質ビンキュリンが感知する仕組みの解明
Project/Area Number |
12J03633
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
市川 尚文 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 細胞外マトリクス / 接着斑 / メカノセンシング / ビンキュリン / ビネキシン / CAP / ArgBP2 / Sorbsファミリー |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞は細胞外マトリクス(ECM)の硬さを感知 (メカノセンシング) し、分化や運動、増殖などの運命決定を行っている。昨年度までに「接着斑タンパク質ビンキュリンとビネキシンαの複合体はECMの硬さを感知するメカノセンサーである」という知見を得た。一方、ビネキシン遺伝子欠損 (KO) マウスは、ECMの硬さの感知が正常に行われないと考えられるにも関わらず、創傷治癒の遅れや心肥大様の症状を示す程度の表現型しか示さない。哺乳類には、ビネキシンファミリー (Sorbs) タンパク質として、ビネキシン (Sorbs3)、CAP (Sorbs1)、ArgBP2 (Sorbs2) の3種類が同定されており、いずれも接着斑や細胞-細胞間接着領域に局在することから、ビネキシンKOマウスでは他の分子が補完していることが予想される。そこで、3者の機能について詳細な比較解析をするために、Sorbsタンパク質を全く発現していない細胞に、Sorbsタンパク質を1つずつ再発現させた細胞を作製し、Sorbsタンパク質のECMの硬さの感知における役割を解析した。 まずSorbsタンパク質の局在を確認したところ、ビネキシンとCAPは接着斑でビンキュリンと強く共局在するのに対して、ArgBP2はアクチンストレスファイバー上でα-アクチニンと強く共局在していた。そして、ビネキシンとCAPは硬いECM上でビンキュリンの界面活性剤不溶性と接着斑滞留性を増加させるが、ArgBP2は影響を与えなかった。また、ビネキシンとCAPはビンキュリンと強く結合するが、ArgBP2はほとんど結合しなかった。以上の結果から、ビネキシンとCAPはビンキュリンとの結合を介してECMの硬さの感知に関与するが、ArgBP2は関与しないことが示唆された。本研究で得られた知見はSorbsタンパク質の機能を詳細に比較した初めての結果である。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)