2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J03660
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 顕 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | エネルギー複雑度 / 計算時間 / しきい値回路 / 素子数 / 対称関数 / ファンイン |
Research Abstract |
本年度は「1.計算時間を考慮したしきい値回路の設計および解析」に従事する予定であったが,実際に研究を進めていったところ,来年度従事予定であった「2.より複雑な情報処理タスクの実現」を先に行うことで,研究内容1の研究がよりスムーズに行えると予想されたため,研究内容2を中心に従事した.その結果,採用以前の研究で剰余関数について明らかにしたエネルギーとファンインの間のトレードオフを,対称関数に一般化することに成功した.対称関数は剰余関数を一般化した関数であり,当初の予想通り一般化しても同様の特徴を持つことが明らかになった.この結果は論文にまとめられ,査読付き学術雑誌「Theoretical Computer Science」に採録が決まっている.また,実際の神経回路網に近いタスクである画像認識に関わる関数を対象に,発火量の観点から回路の設計,解析を行い,エネルギーと素子数の関係性について明らかにした.この結果は論文にまとめられ,来年度開催される査読付き国際会議「Asian Association for Algorithms and Computation」及び「Theory and Applications of Models of Computation」での発表が決まっている. 一方,本年度実施予定だった研究内容1については,現在研究を進めている最中であるが,研究内容2を先に行ったことにより,当初の予定よりもより深い研究を行うことができると予想される.具体的には,今年度の研究で明らかになった研究内容2の結果の中に,実際の回路の構成を与えたものがあるのだが,その構成を計算時間の解析にも有効に利用できそうであることがわかったため,現在その回路を中心に素子数,計算時間の両面から解析を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究を実施する順番は前後してしまったものの,来年度実施予定であった研究内容をおおむね完了しており,今年度実施予定であった研究内容はまだ終わっていないものの,見通しはすでに立っているため.
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Strategy for Future Research Activity |
継続して現在行っている研究内容1に関する研究を行う.先述の通り,今年度と来年度の研究内容を入れ替えたのは来年度実施予定であった研究内容2の結果が,今年度実施予定であった研究内容1をスムーズに実施できるようにするためであり,研究内容2が完了したことによって,今後研究内容1は大きく推進されると予想される.
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Research Products
(3 results)