2013 Fiscal Year Annual Research Report
C末シグナルペプチド付加による輸送運命変更を利用したタンパク質の機能阻害法の確立
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12J03808
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松川 晋也 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | SKL配列 / 転写因子 |
Research Abstract |
様々な遺伝子の阻害法が確立されている中、私はシグナル配列付加による輸送運命変更を利用した新しいドミナントネガティブタンパク質の作成、シグナル配列付加による内在性タンパク質の抑制効果を検証している。複数の転写因子に対して、ペルオキシソーム移行シグナル付加型阻害法が適応可能か評価するためにVent1/2を始めとする様々な遺伝子のクローニング、SKL配列付加型コンストラクトの作成、機能評価を行った。作成したSKL配列付加型コンストラクトを強制発現した胚では、各遺伝子を抑制したときに見られる特徴と一致する結果がおおむね得られた。また、培養細胞において、本阻害法の有用性を証明するため、ルシフェラーゼレポーターアッセイ系を用いて検証し、内在性タンパク質の抑制効果が観察された。また、生化学的な手法によってSKL配列付加型コンストラクトを強制発現した場合、内在性タンパク質の局在が変化することを示した。また、課題として残った、ペルオキシソーム内のタンパク質の飽和によるペルオキシソーム移行シグナルを持ったタンパク質の移行阻害を解決する手法として、ペルオキシソーム形成因子PEX11bの強制発現を行った結果、タンパク質の移行阻害を解消する手法を確立した。以上の結果をまとめると、SKL配列付加型コンストラクトの強制発現によって内在性タンパク質の阻害が、ツメガエル胚と培養細胞において機能することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
科研費申請時はシロイナズナを用いたシグナルペプチド付加の有用性の証明を予定していたが、シロイナズナにおける有用な強制発現アッセイ系が構築できなかったことから、主にツメガエル胚と培養細胞系における評価を中心として行ってきたため。
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Strategy for Future Research Activity |
多量体形成タンパク質に対してシグナルペプチド付加した人工タンパク質は、内在性タンパク質の本来核に向かうべき輸送運命を変更することで阻害効果が見られることがわかった. 今後は細胞内における内在性タンパク質の局在が人工タンパク質の強制発現によって変化するか、蛍光顕微鏡下で観察することを予定している。また、培養細胞系において、ヒト胎児腎臓によって本阻害法が有効であることが証明されているが、他の培養細胞においても本阻害法が機能するか検証していきたい。
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Research Products
(3 results)