2013 Fiscal Year Annual Research Report
Srcファミリーキナーゼ活性を制御するラフト機構の解明:1分子観察法による研究
Project/Area Number |
12J03930
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
白居 祐希 京都大学, 物質―細胞統合システム拠点, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 脂質ラフト / Srcファミリーキナーゼ |
Research Abstract |
SrcファミリーキナーゼLynの活性化/不活性化の切替が、タンパク質間、及び、ラフト脂質問相互作用の協同によってなされているという作業仮説の解明のため、Lynによってリン酸化され、同時にLyn不活性化のための足場タンパク質にもなる膜貫通型タンパク質Cbpに着目した。従来は、Cbpは常にEBP50-ERMを介してアクチン骨格と結合し、そこでほかのシグナル分子と相互作用するという静的なモデルが定説であったが、本研究によってCbpは常に拡散運動を行うことが明らかになった。 このため、CbpとEBP50、ERM、アクチン骨格の結合、および、LynによるCbpリン酸化が、これらのタンパク質の結合に与える影響を検討した。まず、EBP50の細胞膜での挙動を観察した。イリノイ大学Wonhwa Cho教授よりGFP-EBP50を分与していただき、1分子観察を行った。 EBP50の1分子観察の結果、EBP50が細胞質タンパク質としては、非常に珍しい挙動を示すことが明らかとなった。全反射蛍光顕微鏡では、細胞膜近傍約100nmにあるEBP50のみを観察することが出来るため、EBP50が細胞質から細胞膜にやってくる位置、すなわち、Cbpなどの膜タンパク質と相互作用する場所を知ることができる。ラット腎由来線維芽細胞にGFP-EBP50を発現させ、細胞膜にやってきた位置(点)を示すと、点の分布は、均一ではなく、ある領域では直線上に並んでいるところもあり、アクチン線維に結合していることが示唆される。さらに、点が密集した領域も存在することから、EBP50のhot spotが存在し、シグナル伝達プラットフォームが出来やすい場所がある可能性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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