2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J03993
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佃 洸摂 京都大学, 情報学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 典型性 / 同位語 / オブジェクト集合検索 / 知識抽出 |
Research Abstract |
平成24年度は,大きく2つの研究課題に取り組んだ.1つ目は,典型性の中でも非典型性に着目し,非典型的かつ有用な情報の発見を目的とした研究を行った.本研究において対象とする意外な情報とは,例えば「落合博満はガンダムのファンである.」のようなものである.我々は,「落合博満」や「ガンダム」のように,意外な情報を形成するうえで欠かせない語をエンティティと呼ぶ.提案手法では,そのようなエンティティの組を大規模に収集し,各組についてそれらのエンティティの同位語間の関連の強さをWikipedia の単語間のリンク構造に基づいて求める.これにより,通常はクエリの同位語集合が関連を持たない同位語集合およびエンティティが求められる.非典型的な情報にはノイズとなるようなものが多く,その中から有用な情報を発見することは意義深いと言える.2つ目は,属性の組み合わせに基づくオブジェクト集合検索に関する研究を行った.本研究ではオブジェクト間の相性を測るためにある観点における属性の「類似性」と「バランス性」という考えを導入する.我々が対象とするクエリは「3つの観光地からなる観光コース」などである.本論文で提案するオブジェクト集合検索により,このようなクエリに対して「三十三間堂,大覚寺,大徳寺はいずれも本殿の様式という観点では入母屋造である」(類似性に基づく検索)や「壬生寺,南禅寺,大仙院はそれぞれ東洋の美術家という観点では長谷川等伯,狩野探幽,狩野元信と関連がある」(バランス性に基づく検索)といった検索が可能となる.オブジェクト間の共起関係などに基づきオブジェクトの組み合わせを検索するのではなく,属性の組み合わせを考慮することで他のオブジェクトとあまり共起しないマイナーなオブジェクトに対しても相性の良いオブジェクトを発見できる点で意義深いと言える.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
典型性だけでなく,非典型性に関する研究を行い,知見を得ることができたため.また,オブジェクト集合の典型性を測る上で,オブジェクト間の共起関係だけでなく,属性にも着目した研究課題に着手することができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
属性に着目したオブジェクト集合検索をさらに発展させ,ある属性で類似性や相補性を満たすオブジェクト集合の典型性を測る手法の提案および手法の評価を行う.
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Research Products
(5 results)