2012 Fiscal Year Annual Research Report
FF-Rap受容体アッセイを応用した新規CRドメイン蛋白質Doctorの機能解析
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12J04148
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
森山 侑輝 静岡大学, 創造科学技術大学院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | FF-Rap受容体アッセイ / BMPシグナル / 神経形成 / アフリカツメガエル |
Research Abstract |
本研究は1.FF-Rap-BMP受容体アッセイの構築と2.Doctor(Doc)の解析の2つに分類されるので、それぞれの成果について以下に述べる。 1.FF-Rap-BMP受容体アッセイの構築 まず、FF-Rap-BMP受容体アッセイを行う為に必要であるFRB-BMPR1とFKBP12-BMPR2のコンストラクトを作成した。次に、それらのコンストラクトからmRNAを合成し、アフリカツメガエル胚に顕微注入する適切なmRNA量を決定した。さらに、mRNAを顕微注入した胚に対して処理するラバマイシンの濃度を決定した。 以上の結果はFF-Rap-BMP受容体アッセイの実験系が構築され、最終年度で用いる予定になっているコンビネーション実験の土台が完成した事を示している。 2.Docの解析 (1)Docの発現解析 Docがツメガエルの初期発生においてどのような役割を有しているのかを解析する手がかりを得るためにまず、発現解析を行った。まず、Docがツメガエルの初期発生においていつ発現しているのかをRT-PCR法により解析したところ、初期神経胚から発現が開始されることが明らかになった。さらに、発現領域をin situ hybridization法で解析したところ、後方神経領域に発現していることが明らかになった。以上の解析よりDocは神経胚初期から後方神経領域に発現することが明らかになった。 (2)Docの機能解析 Docの機能を解析する為に、Doc mRNAまたはDocを翻訳レベルで阻害するDoc-MOをツメガエル胚に顕微注入する事により機能獲得・欠損型の実験を行ったところ、神経形成や体軸形成に影響を与えることが明らかになった。 以上の(1)、(2)の結果よりDocの生体内における機能の基本情報を収集できた事になる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書ではFF-Rap-BMP受容体アッセイの実験系の確立とDocの基本情報の収集、そして、コンビネーション実験に用いる際の分子のリストアップの3項目を達成する事を目的とすると記載したが、その3項目全てを達成した為。さらに、国際学会で発表するだけのデータも既に集まっている為。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、初年度に収集したDOCの基本情報に加えて、DOCと神経形成に関わる分子とのタンパク質間相互作用を明らかにする。その為には、これまでの分子発生生物学的手法に加えて生化学な実験手法を用いた解析、また、神経形成に関わる分子のコンストラクトが必要になるが、生化学的解析を得意とし、それらの遺伝子コンストラクトを豊富に有している、カルフォルニア大学ロサンゼルス校のDe Robertis研究室で研究を行う事によりそれらの問題点は解決できる。その後、FF-Rap-BMP受容体アッセイにより人工的にBMPシグナルを調節した条件下においてコンビネーション実験を行う事で、Doc.または候補分子の生体内における役割を明らかにするとともに、神経形成をより詳細に読み解く事が出来るようになる。
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Research Products
(1 results)