2014 Fiscal Year Annual Research Report
壊死細胞に対する免疫応答の分子機構および生理的意義の解明
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12J04202
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
木村 俊文 東北大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 論文発表 / 国際学会発表 / 国内学会発表 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体内で発生する細胞死に対して免疫細胞が応答し、自己由来の死細胞を除去することは個体の恒常性維持にとって重要である。細胞の壊死に伴ってDNAが放出されると、免疫細胞は核酸認識受容体であるTLR9を介して活性化する。TLR9は本来は微生物由来のDNAに対する受容体であるため、感染防御に重要である。しかしTLR9シグナル経路の異常な活性化は恒常性の範囲を逸脱した炎症反応を引き起こす原因となり、その一例として全身性エリテマトーデスなどの自己免疫疾患が挙げられる。 TLR9は小胞体で合成されるが、DNAと結合するのはエンドライソソームである。TLR9の小胞体からエンドライソソームへの局在変化がTLR9経路の活性化に不可欠であるされている。この局在変化は厳密に制御されるはずだが、詳細な機構は不明である。 平成25年3月までの研究により、軸索身長阻害因子として以前報告されたNogoがTLR9刺激に対する免疫応答に必須の分子であることを明らかにした。Nogo欠損マウスを用いて解析を進めた結果、NogoはTLR9のエンドライソソームへの局在を促進することが明らかになった。またNogo結合分子を探索したところ、機能未知のタンパク質であるGRAMD4がNogoと結合し、かつTLR9の局在変化を阻害することを見出した。NogoとGRMAD4はともに小胞体に集積する性質を示したことから、これらの分子はTLR9の小胞体からの搬出をそれぞれ促進的および抑制的に制御すると考えられる。 一部の自己免疫疾患や炎症性疾患では核酸認識受容体の活性化が亢進している。本研究であきらかにしたNogoとGRAMD4に注目することで、これらの疾患の治療標的を見出すことが期待される。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)