2012 Fiscal Year Annual Research Report
TLRノックアウトマウスを用いた全身性強皮症の病態解明
Project/Area Number |
12J04204
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 岳浩 東京大学, 医学部附属病院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 全身性強皮症 / 線維化 / TLR4 |
Research Abstract |
Tol1様受容体(TLR)4はグラム陰性菌の構成成分であるリボ多糖(LPS)を認識し、広く自然免疫系において重要な役割を果たしていることが知られるとともに、近年、非感染性の慢性炎症および自己免疫疾患においてその病態形成に重要な役割を果たすことが分かってきている。全身性強皮症についても同様にTLR4との関連が徐々に明らかになってきているが、現在、野生型C57BU6マウスおよび同じくC57BL/6マウスをバックグラウンドとするTol1様受容体(TLR)4のノックアウトマウスにおいて、全身性強皮症における線維化および免疫異常の病態をよく近似するとされるブレオマイシン誘発強皮症モデルマウスを作成して実験を行っている。TLR4のノックアウトはBLM誘発強皮症モデルマウスに認められる皮膚硬化と肺線維化を野生型に比較して有意に抑制した。同時に、TLR4のノックアウトはBLM誘発強皮症モデルマウスに認められる皮膚への炎症細胞浸潤とサイトカイン産生の亢進も抑制した。 より具体的には、TLR4ノックアウトマウスでは野生型マウスに比較してBLMにより誘発される真皮の肥厚が有意に抑制され、背部皮膚4mmパンチ検体におけるハイドロキシプロリン量の測定でも野生型に比較してノックアウト群ではBLM投与による増加が有意に抑制されていた。また、肺においても、同様に、野生型のBLM群では著明な肺胞隔壁の肥厚、炎症細胞浸潤が見られたのに比較して、著明にその程度が減弱しており、肺の線維化スコアについてもノックアウトのBLM群では野生型のBLM群に比較して有意に小さかった。皮膚および肺組織中における炎症性サイトカインのmRNAの発現についてRT-PCR法にて検討したところ、それぞれにおいて、ノックアウトマウスのBLM群では野生型BLM群に比較して有意にMCP-1、IL-6、TNF-α、IL-1βの発現が低下していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TLR4ノックアウトマウスではブレオマイシンによる皮膚・肺の線維化が野生型に比較し減弱することが示された。また、組織中における炎症性サイトカインの発現についてもノックアウトマウスでは野生型に比較して減弱しているデータが得られた。今後はブレオマイシンによる線維化、炎症反応の減弱の機序につき検討することとする。
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Strategy for Future Research Activity |
TLR4ノックアウトマウスでのブレオマイシンによる皮膚・肺における線維化の減弱における機序について、全身性強皮症の病態に重要な役割を担う線維芽細胞、免疫細胞、血管内皮細胞in vitroで検討する。
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Research Products
(3 results)