2013 Fiscal Year Annual Research Report
次世代シーケンサーを用いた骨髄異形成症候群の新規標的遺伝子の探索
Project/Area Number |
12J04216
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 健一 東京大学, 医学部附属病院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 骨髄異形成症候群 / 遺伝子変異 / 次世代シーケンサー / 全エクソンシーケンス / コヒーシン |
Research Abstract |
これまでに次世代シーケンサーを用いた骨髄異形成症候群(MDS)の全エクソンシーケンスおよびSNP arrayによるコピー数解析について200例の解析を行った。その中で、コヒーシン複合体関係の遺伝子(STAG2、RAD21、SMC1A、SMC3)、SETBP1、BCOR/BCORL1、RIT1などの遺伝子の変異について同定した(Kon et al., Nat Genet. 2013, Makishima et al., Nat Genet. 2013, Damm et al., Blood 2013, Gomez-Segui et al., Leukemia 2013)。コヒーシン複合体を構成する遺伝子の変異および欠失はMDSでは8%に認められ、変異・欠失のある症例では排他的にみられていて、4つの遺伝子の変異は共通のメカニズムで腫瘍化に関わっていると考えられた。SETBP7変異は予後不良と相関し、二次性の白血病への移行に関係していると考えられた。はさらに以前に我々の研究室で同定したU2AF1, SRSF2, SF3B1, ZRSR2などRNAスプライシング因子も含めて、104遺伝子について標的を絞ったmultiplexed barcoded sequencillgを944症例のMDS検体について行った。その結果、90%近い症例で1個以上の遺伝子変異が同定され、多くの高リスクのMDSや予後不良と相関する遺伝子変異が同定された。さらに、このうち14個の遺伝子を従来から予後予測に用いられていた臨床データと組み合わせることにより、従来のIPSSに比べて正確な予後予測が可能であることを報告した(Haferlach et al., Leukemia 2014)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
次世代シーケンサーを用いた全エクソンシーケンス、multiplexed barcoded sequencingについてはほぼ当初の計画通りに行うことができ、その成果では予想以上に多くの新規標的遺伝子が同定されてきており、期待された以上の成果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はこれまでの研究で骨髄異形成症候群で遺伝子変異が同定されたRNAスプライシング因子、コヒーシン関係の遺伝子やSETBP1などについてマウスモデルを用いてMDS発症のメカニズムを解析していく予定である。
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Research Products
(24 results)
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[Presentation] 血小板異常症2013
Author(s)
吉田健一、國島伸治
Organizer
第116回日本小児科学会学術集会
Place of Presentation
広島市文化交流会館(広島市)
Year and Date
2013-04-19
Invited
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