2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J04319
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中山 健吾 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 有機トランジスタ / ウェットエッチ法 / トップコンタクト電極 |
Research Abstract |
有機半導体は、次世代のフレキシブルエレクトロニクスを低コストで実現する材料として近年注目されており、最近では、10cm^<2>/Vsを超える高いキャリア移動度が報告されてきている。有機トランジスタの応用を考えた場合、回路網を構築するために多数のトランジスタを組み合わせる必要があるため、高い移動度を損なわずに素子同士を結線する配線技術が求められる。前回、有機半導体材料と金エッチング剤の電気化学的なエネルギー関係に着目し、金よりもイオン化ポテンシャルが大きいp型有機半導体材料に対し、ウェットエッチ法を適用して任意のトップコンタクト型電極を作製できることを見出したが、今年度は、さらに応用面展開を見据えた研究を進めた。 まず、P型材料よりもイオン化ポテンシャルが大きいペリレン系n型半導体材料に対しても同様のプロセスが適用可能であることを予測し, 実際に、1cm^2/Vs程度の高い電子移動度及び105程度の高いオン・オフ比を示すn型有機トランジスタを作製することによって確認した。その結果, p型とn型を組み合わせたCMOS回路が構成可能となったため、基本となる演算素子であるNOT、NOR、NANDゲートの作製まで行い、真理値表を満たした正しい論理演算が実現されることを確認した。 また、ウェットエッチ法のその他の応用例として、液晶ディスプレイを駆動するための有機アクティブマトリクスの開発を行った。実際の画素中に組み込まれたp型有機トランジスタの移動度は、3cm^2/Vs程度であったが、これは通常用いられるアモルファスシリコンに比べて数倍程度高い値であり、作製した液晶ディスプレイは最大で8倍速もの高速駆動が可能であった。 以上のように、ウェットエッチ法によって作製された有機トランジスタは、集積回路やアクティブマトリクス素子などに応用するのに極めて有用であることが明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(4 results)