2013 Fiscal Year Annual Research Report
食中毒原因菌の定量的リスクアセスメントのための高感度な世界的標準検査法の開発
Project/Area Number |
12J04353
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 夏子 京都大学, 東南アジア研究所, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 腸炎ビブリオ / 腸管感染症 / リスクアセスメント / 免疫磁気ビーズ法 / LAMP法 |
Research Abstract |
耐熱性溶血毒(TDH)産生腸炎ビブリオは、汚染された魚介類、特に、海水を濾過し消化管に微生物を濃縮する二枚貝の喫食を通じて胃腸炎を引き起こすため、FAO/WHO主導の下、二枚貝中のtdh陽性株の管理に大変な努力が払われてきた。二枚貝の輸出国には多くの途上国が含まれるため、世界中で実施可能な簡便・安価な検査法が強く望まれている一方、励陽性株は、環境中にはごく低濃度でしか存在しないため、その正確な定量は困難とされてきた。 本研究では、最確数法に、臨床的に重要な69種類の既知K抗原に特異的な免疫磁気ビーズ法と、tdh遺伝子を標的としたloop-mediated isotherm alamplification法を組み込んだ検査法を開発した。日本とタイ南部における実験調査を通じてその有効性を評価したところ、広い濃度範囲の励陽性検体を、高感度・簡便・安価に定量できることが確かめられた。 研究実施計画にあるように、以上の成果は、Journal of Food Protection誌に筆頭著者として発表した他(inpress, 平成26年)、第48回日米医学協力研究会コレラ・細菌性腸管感染症専門部会(バングラデシュ, 平成26年2月)にてポスター発表を行った。また、新検査法のバリデーションにっいては、現在、米国FDA等が提唱する他の検査法と併せて、世界各地で開かれているFAO主催のワークショップを通じて進められており、本検査法は高い評価を得ている。 最後に、本検査法を用いれば、途上国の養殖業者でも、世界標準レベルの品質管理に対応できるようになることから、魚介類の輸出入における大きなハードルが取り除かれ、公衆衛生と公正な貿易に貢献できるものと期待される。
|
Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
|
Research Products
(2 results)