2012 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類減数分裂をささえる細胞骨格ダイナミクス制御機構
Project/Area Number |
12J04389
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
渡邉 定則 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 細胞分裂 / 微小管 / アクチン / 発生 |
Research Abstract |
本研究では、非対称分裂を中心とする生体内細胞分裂でのアクチン重合の役割解明を目的とし既に作出していたmDia2欠損マウスを用い解析した。mDia2欠損マウスは胎生12.5日以降に致死となり、その際貧血の表現型が確認された。mDia2欠損マウス胎児由来の末梢血を解析したところ、多核化した赤芽球が増加することが判明した。さらにこの時期の造血組織である胎児肝臓内の赤芽球の細胞数減少も見られ、コロニーフォーメーションアッセイにより赤血球産生能の障害を確認した。さらに、この赤血球産生障害のメカニズム解明を行うため、胎児肝臓細胞を用いた赤血球分化誘導実験及びライブイメージング観察により検討を行ったところ、赤芽球分化段階の途中より高い細胞質分裂の障害がおこることが判明した。現在、この分化段階特異的に細胞分裂が障害される機構の詳細の解析を行なっている(論文投稿準備中)。 一方で、哺乳類中心体非依存的スピンドル形成の重要因子として、所属研究室で発見したオーグミン複合体に着目し解析を行っている。マウスでのオーグミンサブユニットの発現をウエスタンブロッティングにより検討した上で、発現するサブユニットについて、同複合体機能上の重要性を、各種培養細胞により検討している。また、同時に組織特異的にスピンドル(微小管)の動態解析を行うため、GFP-tubulin発現マウスを用いたイメージングの初期検討を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
哺乳類細胞の生理的細胞分裂を微小管・アクチン細胞骨格動態の両面から解析するための研究基盤が整いつつある。研究実施過程で得られた予想外の発見も重要な知見としてまとめつつあり、本研究より新たな研究テーマが発展することも期待される。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究遂行にあたり、研究に使用するマウスの作成に時間を要するため、複数テーマを同時進行させることにより、研究実施期間中に最大限の研究成果がえられるように心がけている。また、研究の推進にあたり、予想外の結果や重要な発見が得られた際には、受け入れ研究者と十分相談の上、必要となる共同研究を行うことで、本研究に更なる発展性が得られるよう推進していく予定である。
|
Research Products
(5 results)