2013 Fiscal Year Annual Research Report
面方位混載型・歪みゲルマニウム超薄膜の創製と超高速トランジスタへの応用
Project/Area Number |
12J04434
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
黒澤 昌志 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | IV族半導体 / 低温結晶化 / ゲルマニウム / スズ / シリコン / ショット・キー障壁高さ |
Research Abstract |
本研究では次世代集積回路の創出に向けて, 絶縁膜上にGeをベースとしたIV族半導体を高品質形成, および, 歪み導入プロセス技術の開発を目標としている. 本年度に得られた成果を以下に記す. (1)水中レーザーアニール(LA)法により絶縁膜上に形成したGe_<1-x>Sn_x(0<X<0.1)多結晶薄膜の電気的特性を調査した. x=0.02では, レーザー照射時の膜へのダメージを抑えつつ, 大粒径成長(~1μm)が可能であり, そのHall移動度も100cm^2/Vsと比較的良好な値を得ることに成功した. (2)Sn誘起固相成長法を新たにSiへと展開した. 非晶質Si膜にSnを30%導入すれば, 非晶質膜の結晶化温度を150℃に低温化できることが顕微ラマン分光測定, X線回折測定等により判明した. 即ち, Ge-Sn系とほぼ同じ共晶点(231.9℃)を有するSi-Sn系でも, 結晶化温度の大幅低減ができることを見いだした. この結晶化温度は, 驚くべきことにSi_<0.7>Sn_<0.3>の融点(~1380℃)の約1/10である. (3)n形Ge(100)基板上にSn, Al, Au電極を形成した各ショットキー・ダイオードに対して, 電流密度-電圧特性の温度変化(T=111K~300K)を測定し, 飽和電流J_s/T^2のアレニウスプロットの傾きからショットキーバリア高さ(SBH)を見積もった. Al, Au電極では, 過去の報告と同様, SBHは電極の仕事関数に依存しない(SBH~0.6eV). 一方, Sn電極ではSBH~0.35eVとショットキー極限に近いSBH値が得られた. 即ち, Sn/n形Geコンタクトにおいて, 低いショットキー障壁高さを観測した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画であったGeをベースとした高速トランジスタ実現に向けた結晶成長, 低抵抗金属/半導体界面形成のプロセス開発は順調に進展してきている. Sn/n型Ge (100)コンタクトでショットキー障壁高さが低減できること(0.35eV)も見いだしており, その制御技術構築に向けた知見も十分に蓄積されてきた.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は, これまで行ってきた結晶成長技術の高度化, 低いショットキー障壁高さが得られた理由を探るとともに, トランジスタの高性能動作実証に向けて研究を推進する.
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Research Products
(14 results)