2014 Fiscal Year Annual Research Report
光応答性有機結晶の結晶成長制御による新規機能性材料の創生
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12J04639
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
北川 大地 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | フォトクロミズム / ジアリールエテン / 結晶 / フォトメカニカル / 屈曲 / 波長依存性 / 電流スイッチング |
Outline of Annual Research Achievements |
採用2年度目において、光誘起屈曲現象における屈曲の初速度と結晶の厚み依存性はTimoshenkoのバイメタルモデルを用いることで理論的に説明できることを明らかにしている(D. Kitagawa et al., J. Phys. Chem. C, 2013, 117, 20887; Photochem. Photobiol. Sci., 2014, 13, 764)。本年度は、ジアリールエテンのフォトメカニカル効果における異なる結晶間での屈曲速度の定量的評価を目指し、研究を行った。バイメタルモデルを用いたフィッティングにより、結晶表面からのフォトクロミック反応深さが屈曲速度に大きな影響を与えていることを明らかにし、それぞれの屈曲速度を定量的に評価することに成功した。また、結晶表面に金を蒸着したときの屈曲挙動について検討した。結晶は、金の厚みが増えるほど屈曲しにくくなることが明らかとなり、これは金の大きなヤング率が影響している。また、金を蒸着した結晶の屈曲速度と結晶の厚みの関係性は、新たに提案した拡張型バイメタルモデルを用いて議論できることを明らかにした。さらに、この結晶を回路に組み込むことにより、光照射による電流スイッチングに成功した(D. Kitagawa et al., Chem. Commun., 2015, 51, 4421)。さらに、光誘起屈曲現象における紫外光照射波長依存性について検討を行った。ジアリールエテンの開環体結晶は紫外域に吸収極大を有しているため、紫外光照射波長を変えることによって、結晶表面からのフォトクロミック反応深さを変化させることができる。あるジアリールエテンの針状結晶に、365 nmの光を照射すると、結晶は直ちに、光源に向かって屈曲した。一方で、同じ結晶に380 nmの光を照射すると、初めは光源と逆側に屈曲し、さらに紫外光照射を続けると光源に向かって屈曲することが明らかとなった。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)