2014 Fiscal Year Annual Research Report
マインドリーディングのメカニズムとロールプレイの効果に関する発達的研究
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12J04681
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
古見 文一 京都大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ロールプレイ / マインドリーディング / 転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,ロールプレイがマインドリーディングに及ぼす効果の転移について検討を行った。これまでの研究では,特殊的な状況におけるマインドリーディング,及び特殊的な他者の心を読み取るマインドリーディングにおいて,それぞれに対応したロールプレイがポジティブな影響を持つことが明らかとなっている。そこで,本研究では,それぞれのロールプレイが異なるマインドリーディング状況に効果をもつかどうかを実験的に検討した。 84名の大学生を,両方ロールプレイ群,遮蔽ロールプレイ群,色ロールプレイ群,ロールプレイなし群に割り付けた。マインドリーディングを測定する課題としては,これまでの研究で用いられた遮蔽ディレクター課題,色ディレクター課題に加え,これらを合わせた混合ディレクター課題,そしてマインドリーディングを用いずに回答できる統制課題の4課題を行った。課題の前に,参加者はそれぞれの群に対応したロールプレイを用いた教示,及びロールプレイを用いない教示を受けた。 その結果,混合課題,遮蔽課題,色課題の全てにおいて,両方ロールプレイ群と色ロールプレイ群は統制群よりも有意に誤答率が低かった。また,混合課題においては遮蔽群も統制群より誤答率が低かった。 これらの結果から,色ロールプレイは遮蔽ディレクター課題にもポジティブな効果をもつことがわかり,転移が起こる可能性があることが示唆された。一方で,遮蔽ロールプレイは色ディレクター課題にポジティブな影響を持たなかったため,転移は起こらない可能性が示唆された。これらの違いは,それぞれのディレクター課題に必要な認知プロセスの違いが影響していると考えられる。今後,各ディレクター課題に必要な認知プロセスと,ロールプレイのメカニズムについてさらなる検討が必要である。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)