2013 Fiscal Year Annual Research Report
神聖ローマ帝国とスイスにおける日本の宗教政策の受けとめ方-「宗派化」に注目して-
Project/Area Number |
12J04698
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大場 はるか 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 神聖ローマ帝国 / イエズス会 / 日本認識 / ドイツ / オーストリア / トレント公会議 / 演劇史 / ラテン語文学 |
Research Abstract |
本年度はオーストリアのウィーン大学を拠点に史料収集・分析を行った。申請時の計画に従い、ドイツ・ミュンヘンのバイエルン州立図書館で日本人を描写したイエズス会劇に関する史料を集めた他、前年度の研究・調査の展開に従って若干計画を変更し、予定していたオーストリアのシュタイアーマルク州立文書館ではなく、インスブルックのティロール州立文書館でイエズス会劇関係の調査を行った。その際、インスブルック大学の新ラテン語文学研究科の研究者から支援および今後の研究の遂行のために貴重な助言を得ることができた。昨年度と本年度の研究成果は、2013年7月にドイツ・ミュンヘンで開催された教会史の学会(Kirchengeschichte 2.1-Themen, Projekte, Perspektiven)、11月に早稲田大学で開催された国際シンポジウム「トレント公会議と近世キリスト教世界―思想・社会・規律―」(科学研究費補助金基盤研究(A)「中近世キリスト教世界の多元性とグローバル・ヒストリーへの視覚」関係の催し)、12月に九州大学で開催された九州史学会、2014年3月にオーストリア・ウィーン大学で開催されたワークショップ(Die Erdteile im frühneuzeithchen Blick)、オーストリア・ザルツブルク大学で開催された大学院ゼミナールなどで発表した。また、昨年度オランダのアムステルダムで開催された演劇史の学会(Das Theater des Spätmittelalters und der Frühen Neuzeit. Kulturelle Verhalldlungen in einer Zeit des Wandels)で行った口頭発表をもとに、本年度は論文を一本執筆して当学会の学会論文集に寄稿した。これは現在編集中である。その他、2014年3月にはドイツ・ディリンゲンで開催されたイエズス会の学会にも参加し、研究内容の紹介を行った。ウィーンのワークショップやディリンゲンの学会では複数の専門分野(教会史、音楽史、哲学、神学など)の研究者と多数知り合うことができたため、このネットワークを今後の研究に生かす予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
海外の複数の研究者と知り合い、彼らに入手予定だった史料や先行研究の一部をPDF版で欧州からメールで送ってもらうことができたため、史料収集が予定よりも早く進んだ。また、新たな別の史料の存在についても情報を提供してもらえたため、研究を当初の計画以上に進めることができた。史料が計画より早く集まったことにより、研究成果の発表も予定より多く行うことが可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も入手した史料の分析と研究成果の発表に努める。その際、日本国内だけでなく海外でも積極的に研究成果を発表していく予定である。現時点までは口頭発表が主であったため、今後はこれを論文として発表していく作業を行う。
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Research Products
(6 results)