2012 Fiscal Year Annual Research Report
固液混相乱流モデルを用いた粒子法の拡張とその移動床現象への応用に関する研究
Project/Area Number |
12J04720
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鶴田 修己 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | MPS法 / 高精度粒子法 / DEM / 固液混相流 / LES / Euler-Lagrange / シートフロー漂砂 / SPS乱流モデル |
Research Abstract |
研究計画では,1.高精度粒子法を導入したMPS法ベースの固液混相流モデルの構築,2.乱流モデルの導入およびモデルの再現性の検討,3.計算コスト肥大化解決のためのモデルの更なる高精度化の3点を目標としている. 1.高精度粒子法を導入したMPS法と個別要素法(DEM)との連成解析手法として,始めに3つのモデルを構築し,固液混相ダムブレイク実験を対象に数値シミュレーションを実施するζとで各モデルの特性を検討した.また,上記モデルのうち一つに対し,更に改良を進め,3次元場へ計算コードを拡張すると伴に,多数粒子群の水中沈降を対象に水理実験及び数値シミュレーションを実施し,モデルの検討および多数粒子群の水中沈降過程における粒子群の運動機構を計算力学的観点から検討した.現在は,連成手法の更なる改良に取り組んでいる. 2-最新の高精度粒子法を導入したMPS法にSPS乱流モデルを新たに組み込み,単相流の砕波および自由噴流の水理実験を対象に数値シミュレーションを実施し,モデルの妥当性を検討した.今後,乱流モデルはダイナミクス化を進めるとともに,固液混相流モデルへ導入する予定である. 3.より物理素過程に忠実な高精度粒子法のための安定化スキームを開発・導入し,固液混相流を対象としてより再現性の高い安定計算手法を確立した.その結果,計算時間刻みをより大きく設定した場合にも,安定した計算を得ることが可能となった. 高濃度固液混相流を対象とした数値シミュレーション実施のための,粒子法ベースの計算モデルの構築および改良を進めている.今後,さらならモデルの改良を進め,シートフロー漂砂への計算モデルの適用を目標とする. なお,上記のラグランジュ・ラグランジュ型のアプローチに加え,オイラー・ラグランジュ型の格子法ベースの固液混相乱流モデルを用いたシートフロー漂砂の運動機構の検討も並行して実施している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究実施計画案通り,3つの問題点対する解決案を着実に進めている.また,固液混相流モデルのために新たに開発した計算スキームは,単相流や気液混相流に対しても同様に,計算の精度および安定性に効果的であることが期待される.
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Strategy for Future Research Activity |
高濃度土砂輸送現象を数値シミュレーションによりアプローチする場合,計算コストの問題が重要な課題となり,開発した現在のモデルでは高い精度による粒子周りの流体解析を実現するには不十分である.対策としては,今後もモデルの高精度化をより進める必要がある.現在は,自由水表面や壁面境界を含む異相界面に効果的なスキームを開発中である.
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Research Products
(11 results)