2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J04741
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
山崎 大輔 一橋大学, 大学院経済学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 構造変化の検定 / 長期分散 / バイアス修正 |
Research Abstract |
1. (パネルデータモデルにおけるパラメータの安定性の検定) この研究は平成24年度の研究の続きである。平成25年度には、本研究で提案した、パネルデータモデルにおける時系列方向のパラメータの安定性の検定の有限標本特性を調べるために、クロスセクション間の相関を仮定した上でのシミュレーションを行った。 2. (レベルシフトの検定の有限標本特性の改善) 系列相関がある時系列モデルにおいて、構造変化の検定を行う際には、撹乱項の長期分散を推定する必要が生じる。長期分散を帰無仮説(構造変化が無いという仮説)の下で推定した場合、Vogelsang (1999)等で指摘されている検出力の非単調性問題が生じるのに対し、対立仮説(構造変化があるという仮説)の下で推定した場合には検定のサイズが歪むことが知られている。このように、長期分散を帰無仮説・対立仮説のどちらの下で推定しても、構造変化の検定の有限標本特性は良好でないため、実用上大きな問題が生じる。このため、検定のサイズが良好で、かつ高い検出力を持つ検定を構築することは重要である。 そこで本研究では、レベルシフトの検定において対立仮説の下で推定された長期分散推定量にバイアス修正を行い、検定の有限標本特性の改善を図った。 また、シミュレーションを行い、本研究で提案した検定の有限標本特性を調べた。その結果、検定のサイズに関しては比較的良好であり、またサイズ修正済み検出力については先行研究で提案された検定よりも高くなっており、本研究で提案したバイアス修正の有用性を確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、平成24年度から継続して行ってきたパネルデータモデルにおけるパラメータの安定性の検定を完成させることができ、さらにレベルシフトの検定における有限標本特性の改善に関する研究の大部分を行うことができた。従って、当初の計画以上に研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に行ったレベルシフトの検定における長期分散推定量のバイアス修正の方法を、時系列モデル・パネルデータモデルにおける構造変化の検定に適用できるように拡張する。また、複数回の構造変化がある場合の考察も行う。さらに、シミュレーションを行い、本研究で提案する検定と先行研究で提案されていた検定との有限標本特性を比較する。
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Research Products
(3 results)