2013 Fiscal Year Annual Research Report
アントラセン環を有する金属架橋カプセルによるナノカーボンの新機能創出
Project/Area Number |
12J04743
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
貴志 礼文 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | アントラセン / カプセル / チューブ / 自己組織化 / フラーレン / 相互構造変換 |
Research Abstract |
本研究では昨年度までに、アントラセン環を有する有機配位子とPd(II)イオンとの自己組織化により、Pd架橋カプセルを構築し、その内部空間へのフラーレンC_<60>の定量的内包を達成している(N. Kishi, M. Yoshizawa et al., JACS, 2011, 133, 11438-11441)。また、直線二配位型のAg(I)イオンを用いることで、配位結合性チューブによるフラーレン類の内包および光照射による放出にも成功している(N. Kishi, M. Yoshizawa et al., JACS, 2013, 135, 12976-12979)。そこで本年度は、新たな金属イオンを用いた機能性ホストの構築を検討した結果、Hg(II)イオンを用いることで、カプセルとチューブの構築を達成し、それらのゲスト認識能を明らかにした。 カプセルとチューブの構造は、2つのアントラセン環を含むビスピリジン配位子とHg(II)イオンの混合比によって、選択的に作り分けることが可能である。アセトニトリル中、配位子とHg(II)イオンを4:2の比で混合した際はカプセルが、2:2の比の場合はチューブが定量的に生成した。それらの構造はNMR、ESI-TOFMSによって明らかにした。また、それらの構造体は配位子およびHg(II)イオンの添加によって相互変換出来ることを明らかにした。カプセルとチューブは同程度の大きさの内部空間を有するが、カプセルはC_<60>およびC_<70>の内包能を有する一方で、チューブは分子内包能を示さなかった。また、フラーレン内包カプセルにHg(II)イオンを添加することで、チューブへの構造変換によるフラーレンの放出を達成した。さらに、カプセルは青色の蛍光性を有し、フラーレンの内包によって消光することが分かった。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(4 results)