2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J04760
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
前田 洋佑 北里大学, 獣医学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 繁殖雌馬 / プロジェステロン / PIBF / 妊娠 / 免疫 |
Research Abstract |
妊娠において母体は、本来半同種移植片である胚を着床、維持するために特殊な免疫学的変化が起こると考えられており、プロジェステロン(P_4)は妊娠の成立・維持に不可欠なホルモンである。特にT細胞は免疫機能調節の中心的な役割を果たし、CD4を発現しているヘルパーT細胞およびCD8を発現している細胞傷害性T細胞に分類される。ヒトにおいて、P_4はP_4受容体を介して作用し、T細胞からprogesterone-induced blocking factor (PIBF)が産生されることで妊娠に優位な免疫状態へと誘導することが知られている。しかし、繁殖雌馬のT細胞サブセットにおけるP_4関連遺伝子の変化と受胎との関係は明らかになっていない。そこで、交配後に受胎または不受胎であった繁殖雌馬において、磁気抗体を用いてCD4^+およびCD8^+T細胞を分離し、PIBF、P_4受容体およびT細胞関連遺伝子発現量を比較検討することを目的とした。供試馬はサラブレッド種雌馬延べ15頭を用いた。交配後16日の妊娠鑑定により受胎群(n=8)および不受胎群(n=7)に分類し、交配前、交配後7日、16日および35日(35日は受胎群のみ)の末梢血を採材し、比較検討した。結果、T細胞の活性化マーカーであるMHC-classII陽性率は、2群ともに交配前から交配後7日にかけて有意な低下が認められ、その後16日にかけて上昇した。また、受胎群は不受胎群と比較して交配前のCD8^+T細胞におけるPIBF mRNA発現量が有意な高値を示し、その後も高く推移した。一方、P_4核内受容体mRNA発現は2群ともに認められず、P_4膜受容体mRNA発現は認められた。本研究より、交配前のCD8^+T細胞におけるPIBF発現の亢進は受胎に優位に作用することが考えられた。また、P_4は核内受容体ではなく膜受容体を介して作用することが示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(6 results)