2013 Fiscal Year Annual Research Report
芳香環直接連結と脱芳香族化を鍵とした生物活性物質の合成
Project/Area Number |
12J04771
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山口 敦史 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 全合成 / C-H直接変換 |
Research Abstract |
ヘテロ芳香環-ヘテロ芳香環ビアリール骨格は、生物活性天然物に多くみられるとともに医農薬化合物にも頻繁に活用される重要構造単位である。一方、3次元的骨格を有する生物活性物質は、溶解性や活性部位に対する選択性の点で平面骨格を有する化合物よりも優れている場合が多く、創薬の分野で注目を集めている。そのため、ビアリール骨格や3次元骨格を有する様々な生物活性物質の統一的合成法の確立は、基礎と応用の両面から極めて重要な課題といえる。 本研究者は生物活性物質の最小単位としてインドール類、アジン類、チオフェン類などのヘテロ芳香族化合物を選定した。これらをユビキタスに存在するC-H結合のみによって連結させ、さらに脱芳香族化反応を用いることで複雑な3次元骨格へと展開できると考えた。平成25年度、本研究者は生物活性天然物である多環性ピロールアルカロイドをターゲットとし、その全合成研究に着手した。選定した化合物は極性の高い複数の官能基とユニークな主骨格を有している。また優れた生物活性を示すため新規抗癌剤のリード化合物として注目されている。本研究においてはシンプルなピロール環を出発物質とし芳香環直接反応を含むC-H結合直接変換反応を駆使することによりこの多環性アルカロイドの全合成研究に取り組んだ。検討の結果、出発物質である」V-アルキルピロールに対するロジウム触媒を用いたβ位選択的アリール化反応、続くジアゾエステルを用いたC-H挿入反応により目的の2置換ピロールが得られることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の合成計画に従いシンプルなピロール環に対して位置選択的なアリール基の導入に成功した。また続くC-H挿入反応では様々な触媒を検討することによって反応の位置選択性を改善することができた。このことから本研究者の今年度の研究はおおむね順調に進行しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は芳香環直接連結反応などの鍵反応を用い多環性ピロールアルカロイドの主骨格の構築およびその全合成を目指す。また本合成法を適用することで様々な類縁体の合成にも取り組む。
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Research Products
(1 results)