2014 Fiscal Year Annual Research Report
抑うつの昇華理論による理解とその心理臨床的治療の探究
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12J04776
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堀川 聡司 京都大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 昇華 / 抑うつ / 精神分析 / ドルト / 価値 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「抑うつ」という人間の心理状態に関して、今日注目されている「新型うつ」を考慮に入れた上で、一つの体系的な理解と、その治療法を提示することである。そしてその際、精神分析の概念である「昇華」を糸口として考察を進めていくのがその特徴である。本研究を進めることによって抑うつの根本的な構造が明らかになれば、有効な治療法が生み出されると同時に、抑うつの予防策を講じることもできる可能性が見込まれる。そのために本研究で取り組んでゆくことは、①昇華理論の探究、②臨床実践における治療のメカニズムの明示、③報告者の臨床実践に基づいた本研究の理論的考察の妥当性の検討、の三つに要約できる。 本年度は①について、一つの完成を示すこととを試みた。具体的には昇華における価値の問題を考察した論考を一本執筆し、フランスの臨床家フランソワーズ・ドルトの昇華理論について考究する学会発表を一回行った。さらにはこの三年間のまとめとして、所属大学院に学位論文「精神分析における昇華理論の探求―天才論から喪の作業へ―」を提出した。 ②に関しては、日々の臨床実践と定期的なスーパーヴィジョンに加え、ケース検討会への参加や事例論文の学会発表を積極的に行った。また2014年9月には英国ロンドンにあるタヴィストックセミナーへ赴き、一週間の研修を受けた。 ③に関しては、抑うつに関する研究として、昨今話題になっている「新型うつ」をレビューし、精神分析的な視座からの考察を試みた論考を一本発表した。また先述の博士論文において、複数の自験例から報告者の理論的主張の妥当性を検証する論考を記した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)