2013 Fiscal Year Annual Research Report
ストリゴラクトンシグナル伝達経路で働くD14タンパク質の組織間輸送
Project/Area Number |
12J04777
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
亀岡 啓 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ストリゴラクトン |
Research Abstract |
フロテオーム解析により、ストリゴラクトン受容体であるDWARF14 (D14)タンパク質がイネやシロイヌナズナの師管液から検出されることが報告されたことから、D14タンパク質が師管輸送されて腋芽伸長を抑制しているという仮説を建て、解析を行っている。 初年度までに、D14タンパク質が腋芽へ輸送されることを示した。また、D14輸送が腋芽伸長抑制に必要であることを示唆する結果を得た。そこで前年度は, 腋芽への輸送が師管を介した長距離輸送であることの検証と、D14輸送による腋芽伸長抑制の確認を目標としていた。 師管輸送の検証のために、まず、免疫染色により維管束内でのD14タンパク質局在を観察した。すると、師管内でもシグナルが観察されたことから、D14タンパク質が師管液に含まれることが確認された。次に、イネを用いて、ヒートショックプロモーターによって導入したタンパク質を局所的熱処理により部位特異的に発現させる系を確立し、D14輸送を観察しようと試みた。しかし、コントロールのGFPタンパク質はこの系で誘導されたのに対し、D14タンパク質は誘導がみられなかった。これはD14タンパク質の翻訳や分解による制御のためであると考えられた。 また、D14輸送による腋芽伸長抑制を確認するため、適当な系を確立した。初年度までに、細胞間を輸送されるD14 : GFP融合タンパク質と、輸送されないD14:3xGFP融合タンパク質をそれぞれd14変異体に導入した系統を比較することによって、D14輸送が腋芽伸長抑制に必要であることを示唆する結果が得られていた。しかし、個体問のばらつきが大きく、定量的な結果が得られていなかった。そこで、昨年度は、これらの植物を水耕条件で育て、系統内でばらつきが少なく、表現型が相補された系統とされなかった系統で差が明確になる条件を決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度は、腋芽へのD14輸送が師管を介した長距離輸送であることの検証と、D14輸送による腋芽伸長抑制の再現性の確認を目標としていた。両方とも結論を得るには至らなかったが、進展はあった。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒートショックフロモーターの系を用いて長距離輸送の検証を行う。また、D14輸送による腋芽伸長抑制制御について、定量的なデータを得るための実験を行う。
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Research Products
(1 results)