2014 Fiscal Year Annual Research Report
わが国における財務諸表監査の失敗についての実証研究
Project/Area Number |
12J04814
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
亀岡 恵理子 早稲田大学, 商学学術院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 監査人の独立性 / 精神的独立性 / 監査判断の独立性 / 監査の失敗 / 粉飾決算 / 財務諸表の適正表示 / 規制監督 / 事例研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、財務諸表監査の失敗についての事例研究を通じて、財務諸表監査制度の有効性を実証的に検討することを目的としている。本年度は、以下2つの事例研究を行った。 1. Enron[2001]:日米両国の財務諸表監査制度に大変革をもたらした歴史的に重大な事例であるEnron事例は通常、監査人の独立性の欠如に結びつけて説明されることが多い。しかし、『SEC関連書類』と『破産裁判所報告書』に基づく分析の結果、Enron監査の失敗は、監査人の認識を伴う精神的独立性の欠如や故意があったわけではないが、監査人自身も気づかないうちに「監査判断の独立性」を侵害された結果、故意に近い状態で発生したものとして理解すべきことを発見した。そして、監査判断の独立性が侵害されたことは、過失より故意性の高いrecklessを認定されている行為、および過失の域を超えた幇助責任を指摘されている行為にあるとの新解釈を示した。 2. 日本長期信用銀行[1998]:本研究では、長銀最高裁判決が提起する会計・監査上の問題を明らかにすることを目的として、一般に入手可能な資料に基づき、銀行会計の規制構造、金融制度環境、会計基準、長銀の不良債権問題や経営・会計行動といった事項を相互に関係づけながら、1990年代の銀行会計が抱えた問題を明らかにした。分析を通じて、法と会計の視点は異なりうること、公認会計士監査は銀行業と同じ規制監督下では有効に機能しない可能性があることを発見した。長銀事例は、1990年代の会計・監査が機能不全に陥った原因に、法制度、経済体制、規制監督の問題が関わっていることを示唆するものとなった。 研究成果報告:Enron事例については、日本会計研究学会にて報告を行い、早稲田大学産業経営研究所の機関誌『産業経営』に投稿した論文が掲載確定している。長銀事例については、論文を学外誌に投稿し、現在審査結果を待っている。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)