2014 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚と平衡感覚の機能分化と可塑性に関する分子・細胞・回路レベルの統合的解析
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12J04818
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
井上 摩耶 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 聴覚 / 電気生理 / in vivo / ゼブラフィッシュ / 第VIII脳神経 / 有毛細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
脊椎動物において、聴覚と平衡感覚は、どちらも有毛細胞と呼ばれる受容細胞で電気信号に変換され、その情報は第VIII脳神経(内耳神経)を介して中枢(脳)へと伝達される。私は、共通の構造を持ちながら、聴覚と平衡感覚が2つの全く異なる感覚として認識される点に興味を持ち、機能的に分化した神経回路が形成されるメカニズムの解明を目指した。研究には、脊椎動物の基本的な構造を備えたモデル生物で、仔魚の体が透明で耳や脳の構造を生きたまま観察・実験できるという特長をもつゼブラフィッシュを用いた。 ゼブラフィッシュ仔魚の内耳には、耳石と有毛細胞からなるよく似た構造の球形嚢(S)と卵形嚢(U)があり、聴覚入力と平衡感覚入力を分離して受容している。感覚を正しく知覚するには、感覚器における刺激の受容に加え、その刺激が適切に情報処理される必要がある。音の知覚において、SとUの神経回路の特性がどのような役割を果たすのかを明らかにするため、SとUから伸びる各第VIII脳神経(VIIIp, VIIIa)の活動をin vivoで記録した。音刺激に対するVIIIpとVIIIaの発火パターンを比較したところ、VIIIpは音刺激に対して発火位相の揃った応答を見せるが、VIIIaは発火タイミングのばらつきが大きいことが明らかになった。さらに、各神経細胞の膜特性を調べたところ、VIIIpは刺激の開始時に一度だけ活動し、VIIIaは刺激の強度によって活動頻度が変わるという、異なる性質をもつことが示唆された。音と体の傾きという異なる刺激が、第VIII脳神経において特徴抽出された後、脳へと伝達されることが示唆された。実際に、第VIII脳神経が結合する後脳の神経細胞で記録を取ったところ、聴覚経路と平衡感覚経路を介した刺激は、それぞれ異なる特徴をもって入力することが明らかになった。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)