2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J04868
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋本 博文 東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 社会的ニッチ構築 / 適応 / 文化的信念 / ゲーム理論 / 相互協調性 |
Research Abstract |
本申請研究を通じて報告者は, 社会・文化的な生態環境(社会的ニッチ)への適応の道具としての心の性質が, 適応すべき社会的ニッチそのものを生み出すという「社会的ニッチ構築」の過程についての分析をめざしている。平成25年度には, 平成24年度に行った一連の個別研究を継続して実施するとともに, 報告者が現在その確立を試みている研究アプローチ(社会的ニッチ構築アプローチ)を日本をはじめとする社会・文化的な生態環境以外においても適用していくための研究をスタートさせている。たとえば, 平成24年度に報告者が注目した, 当該の社会的ニッチのもとでの適応の道具としての文化的信念に関する知見――日本人の間ではまわりの人たちから嫌われないようにする(悪評を回避する)ことが賢いという信念を, 一方でアメリカ人の間では自分を予測可能にする(シグナルとして機能する)自己表現を行うことが賢いという信念をそれぞれ強く有していることを示す知見――について, 平成25年度には日米での比較を超えた複数か国における比較調査研究へと推し進めるかたちでその頑健性を確かめている。この研究は現在進行中であるが, 少なくとも「日本人は和を尊び, まわりの人たちと協調することを好む」, 「アメリカ人は個人主義的で自分の利益を優先する」というような, 従来の常識的文化理解が誤りである可能性を示唆する知見が蓄積されてきている。次年度以降において, その成果を国際学会において公表するとともに, 国際誌へ投稿する準備を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的をかなえるための複数の個別研究をほぼ計画どおりに実施しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
報告者は平成25年度より, 複数か国における比較調査研究(日, 蘭, 希, 西独, 東独, 波, 台, 墺, 米を含む, 世界各国を対象とする比較研究)に着手している。今後, 国内外における研究協力者との緊密な連携体制のもとで, 本申請研究をさらに進めていく必要がある。現在すでに準備を進めてきている個別研究はもちろんのこと, 今後いくつかの研究計画を立案し, それらを実行に移していく予定である。
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Research Products
(5 results)