2012 Fiscal Year Annual Research Report
マイノリティの学力向上のための保護者・コミュニティ・学校の連携のあり方
Project/Area Number |
12J05035
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田村 徳子 京都大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 連携 / 学校参加 / 初等教育 / 中等教育 / 理論 / 米国 / ブラジル / マイノリティ |
Research Abstract |
本研究は、マイノリティの子どもの学力向上を目指すうえでの保護者・コミュニティ・学校の連携の効果的なあり方を明らかにしようとしたものである。研究対象は、保護者・コミュニティ・学校の連携に関する理論で著名なJoyce L. Epsteinの理論と、ブラジルにおける保護者・コミュニティ・学校の連携に関する教育制度である。 2か年の研究計画の初年度にあたる平成24年度には、これまでの研究をふまえながら、Epsteinの保護者・コミュニティ・学校の連携理論に関する文献収集をおこなうとともに、ブラジルにおける保護者・コミュニティ・学校の連携に関する文献収集をおこなった。前者に関しては、日本および米国の教育機関等を訪問し、日本語・英語・スペイン語文献の収集をおこない、Espteinの理論に関する分析を進めた。なお、当初、Epsteinの理論を取り入れた教育プログラムを実践している米国の教育機関への訪問調査を予定していたが、現時点では文献調査を進める方が妥当であると判断したため、現地調査から文献調査に切り替え、平成24年度の予算を平成25年度に繰り越し、分析を進めた。後者に関しては、他の研究課題等で訪問する機会を利用し、ブラジルのパラ連邦大学で、保護者・コミュニティ・学校の連携に関する情報収集をおこなった。本年度の成果としては、Epsteinの理論の実践への有効性を分析した"A Research-based Approach to School, Family, and Community Partnerships" (Academic Exchange Programs 2012 between Kyoto University and Beijing Normal University, 京都大学大学院教育学研究科、教育実践コラボレーションセンター)があり、日中教育学・大学院生交流シンポジウムでその内容を発表した。さらに、Epsteinを中心とする研究グループが実施するNational Network of Partnership Schools (NNPS)会議についての分析を関西教育行政学会11月例会で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2か年の研究計画のうち、初年度にあたる今年度は、年度当初に立てた計画をほぼ遂行できており、理論に関する研究成果を公表するとともに、ブラジルの保護者・コミュニティ・学校の連携に関する基礎的な資料収集ができた。当初予定していた米国の教育機関への訪問調査はおこなうことができなかったが、それに関しては、文献調査に切り替え、次年度の課題として持ち越して、関連資料の収集・分析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度はおおむね順調に進められており、最終年度にあたる平成25年度も申請時の計画にしたがって研究を実施する予定である。加えて、本年度のブラジル調査のなかで、保護者と地域住民が参加する校長直接選挙という注目すべき制度が実施されていることが明らかとなったため、これに関連する情報収集・分析を2年目に追加することが変更点となる。
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Research Products
(4 results)